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【ニューヨーク=三反園哲治】米証券団体の全米証券業協会(NASD)は23日、企業の経営実態とかい離し投資家に誤解をあたえる内容の株式リポートを公表したとして、シティグループの証券子会社ソロモン・スミス・バーニーに罰金を科した。米国では22日夜、通信大手の売上高水増しも明らかになり、企業不祥事が続いている。
罰金額は500万ドル(約6億1500万円)。ソロモンはNASDの主張を肯定も否定もせず、罰金を払うことで合意し和解した。
問題となったのは、2001年に経営破たんした新興通信会社ウィンスター・コミュニケーションズに関するリポート。ソロモンの元アナリストだったグラブマン氏らが、実際には経営の不安定さを認識しながらも、楽観的な株価見通しを示し最上の投資評価「買い」を与えていたという。ソロモンは強気のリポートを発表すると同時に、ウィンスターから投資銀行業務を請け負い、1999―2001年に2400万ドルの手数料を手にした。
今回の和解はウィンスターに関するリポートだけが対象。NASDなどが手掛けている、他の企業を巡るソロモンの証券アナリストの中立性に関する調査はこれからも続く。
NASDはウィンスターを担当していたグラブマン氏と、その助手に対しても処分を下すため、NASDでの審問など正式な手続きに着手したことも発表した。グラブマン氏は著名通信株アナリストだったが、経営破たんしたワールドコムとの密接な関係が批判を浴び、8月にソロモンを退社した。
ソロモンを巡っては、ワールドコムの元経営陣らに、人気の新規公開株を優先的に配分していたことも発覚、批判が高まっていた。シティは9月にソロモンなど投資銀行部門を統括するトップを事実上更迭、体制の立て直しを急いでいた。今回のNASDとの和解も、問題を早期に解決し信用回復を優先する戦略の一環だ。
証券アナリストの中立性を巡っては、メリルリンチが米ニューヨーク州の司法当局と5月に和解、同州などに1億ドルを支払うことで合意した例がある。