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トヨタ自動車グループは、イランで天然ガスから低公害軽油を生産する事業に参入する方針を固めた。日本、イラン両政府も21日から23日まで大阪で開催中の国際エネルギーフォーラムで、この事業を支援することで合意した。こうした支援を背景に、次世代燃料を使う低公害自動車の技術開発でも他社に先行することを狙っている。
この事業は、ペルシャ湾にある世界最大級のサウスパルス・ガス田を舞台にしたもの。GTL(ガス・ツー・リキッド)と呼ばれる新技術で、採掘した天然ガスを軽油の替わりに使える燃料(低公害軽油)に転換する。総事業費は15億〜20億ドル(2000億円前後)で、4万2000バレルの低公害軽油を含む日量7万5000バレルの新燃料生産を見込む。04年1月にプラント着工、05年末の生産開始を目指している。
欧メジャー(国際石油資本)のロイヤル・ダッチ・シェルとイラン国営石油化学公社が計画の中心で、日本からはトヨタ系商社の豊田通商と提携先のトーメン、国際石油開発などでつくる企業連合が参加する方向だ。関係者によると、トヨタ自動車の直接出資も検討されたが、「イランを『悪の枢軸』の一角とする米国を刺激しかねない」との配慮から見送られたという。
GTLによる低公害軽油は、原油を精製してつくる従来の軽油に比べ、排ガス中の粒子状物質(PM)が4割、炭化水素が6割それぞれ少ない。硫黄酸化物は排出しない。また常温で液体なので自動車の燃料としてガスより扱いやすい。
当面は現在の軽油に2割程度混ぜて、ディーゼルエンジン用に使う見込みだが、排ガス規制の強化に伴い、将来はGTL軽油100%で利用することが想定されている。トヨタ自動車はこれをにらんだエンジン開発にも取り組んでいる。
イランはロシアに次ぐ世界2位の天然ガス埋蔵量を持つ。特にサウスパルス・ガス田は可採埋蔵量が13兆立方メートルで世界1位とされる。ペルシャ湾地下でつながるカタールのノースフィールド・ガス田とともに、日本企業は新燃料開発の中心地として注目している。 (06:17)