【マレーシア】投資促進へ優遇税制拡大、来年度予算案

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【マレーシア】投資促進へ優遇税制拡大、来年度予算案 投稿者 hou 日時 2002 年 9 月 23 日 10:34:58:

マハティール首相兼財務相は20日夕方に下院で発表した来年度予算案に、経済発展に向けた投資促進を図る数々の税制優遇措置を盛り込んだ。外資系企業の本部誘致を目的とした思い切った免税を表明。法人税減税も中小企業を対象に実施する。地場企業に限定した優遇措置を多く用意したのも特徴だ。首相は予算案発表に当たり、1997～98年のアジア通貨・金融危機以来続けてきた政府主導の経済発展政策の限界を指摘。民間部門が発展のけん引役となるよう、優遇策を策定したことを明らかにした。
まず、マレーシアに本社や事業本部を置く外資系企業に対し、事業所得税を10年間全額免除。適用申請はマレーシア工業開発庁（ＭＩＤＡ）で受け付ける。
知識産業（Ｋエコノミー）を育成するため、「戦略的知識企業」に対しては、100％の免税措置を実施。パイオニア・ステータスを有する企業が、ステータスの期限前に再投資を行った場合は補助金を引き続き支給する。
研究開発（Ｒ＆Ｄ）を自ら行い、基準に合致した製品を生産する自動車部品メーカーと、政府が指定したハイテクメーカーには、事業所得税や投資税の免税を適用する。
■中小企業に部分的低税率
経済界やエコノミストなどが減税を求めていた法人税（現行28％）は、一律税率引き下げが見送られた。しかし中小企業育成の観点から、払い込み資本金250万リンギ以下の中小企業に対し、課税対象の収益のうち10万リンギ分に対してだけ、20％の税率を適用する優遇策を取る。
出版・印刷業の振興を目的に、一部の高品質の紙に対し、５％の関税と10％の売上税を全額免除する。
海外取引を行う企業のコスト削減を狙い、国際宅配便業者に対してのサービス税（５％）の課税廃止を提案した。また同一グループ内企業で行われる専門サービスの提供は、サービス税を免除する。
企業が販売先から徴収する前にあらかじめ当局に納めた売上税とサービス税は、１年以内に徴収できなかった場合、不良債権として処理できるようになる。
■地場企業による輸出・買収を支援
経済の外資依存度引き下げを図るため、マハティール首相は予算案に多くの地場資本企業に対する優遇策を盛り込んだ。地場企業による輸出を後押しする意味もあり【１】地場企業が顕著に輸出を増やした場合は30％の免税【２】地場企業が新たな海外市場を開拓した場合は、50％の免税【３】輸出を倍増させた場合は、税を全額免除――といった政策を取る。輸出保険の保険料や海外での宣伝活動など、輸出促進にかかわる企業の活動には二重の税額控除を用意した。国際貿易商社が５年連続で輸出を増加させた場合は、課税対象収益のうち70％を免税対象とするなどという策も盛り込んだ。
国産品に対する売上税の課税対象は、来年から輸入品と同じく実際の取引額に改める。通関手続きも緩和し、保健省や農業省による検査済みの物品は、税関での再検査を免除する。
地場企業の規模拡大や体質強化の支援も打ち出した。外国のハイテク企業を買収した地場企業には、買収額の20％に相当する補助金を５年間にわたって支給する。
不動産取引の振興策として、相続など親族間の不動産取引・名義変更の印紙税を半額にする。
■非居住者の税制も緩和
外資系企業の投資環境にかかわる駐在員など非居住者の税制面での待遇も改善する。非居住者が居住者税率の適用に受けるには、現行法では【Ａ】年間182日以上マレーシアに滞在【Ｂ】12月31日と１月１日には必ずマレーシアに滞在――の両条件を満たす必要があるが、来年度予算案は【Ｂ】の廃止を打ち出した。非居住者2002年9月23日外で提供したサービスに対しての10％の利子預かり税課税もやめる。
外資系請負業者の利子預かり税率は15％から10％に、従業員の預かり税率も５％から３％に引き下げる。▼全記事タイトル一覧→[http://nna.asia.ne.jp/free/bm/]（NNA）
[9月23日9時8分更新]

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