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━ 投資家の皆様へ! シートベルト着用のサインが点燈 ━
今月18日、株式市場に衝撃的なニュースが流されました。日銀が銀行保有株買取を表明したものです。このニュースの意味は、実は今後の日本の経済システムの大転換を意味するものです。ご存知のように、これまで日本の経済システムは不動産本位制でした。不動産により信用は創造されバブルの発生と崩壊も不動産価格によって説明することが出来ます。13年前、旧大蔵省は当時のバブル発生源(土地バブル)を抑制すべく「土地総量規制」を実施しました。一方日銀は金利引上げを行ないこの2つの政策がバブル崩壊の契機となりました。バブル当時、この「不動産総量規制」実施のニュースから、バブル変調の臭いを嗅ぎ取り、早めに土地を売却した人は生き延び、このニュースを軽視した人は、その後倒産や悲惨な結果を招いたことはよく知られています。今回の「日銀株購入決定」のニュースは、バブル当時の「不動産総量規制」実施のニュースに匹敵する衝撃的なものです。
※ ここで注意していただきたいのは、バブル当時「不動産総量規制」のニュースを軽視した人と同じ徹を踏まないことにあります。現在も株式低迷が当たり前という雰囲気に馴れて「日銀株購入」のニュースをボンヤリと軽視してしまうことです。
重要なポイントの整理しますと
○政府系金融機関の中央銀行自ら株式投資を行うといことは、日銀そのものが1投資家になるということ。今後は株式市場の動向に深く注意を払わずには得られなくなることを意味し、しいては政府もこれまでのようにマーケットに無関心ではいられなくなることになります。
○日銀がこのような非常識と言われる程の思い切った政策を取った以上、政府サイドもこれに追随する形で強烈な政策を取らざるを得ないというのが順当な考えであり、最近の慌しい政府の動きはその前兆とみるのが自然の流れです。かりに政府が強烈な政策を打ち出さないとするならば、日銀はピエロと化し、世界中からの笑いものになりかねません。
○欧米は株式本位制をとっており、特に米国の輝かしいこの10年は、株式本位制によって創られたものです。この欧米のマーケットがいずれも調整局面を余儀なくされつつある環境で、日本だけがいつまでも不動産本位制を採用している状況は許されなくなってきています。ここについに、日本も不動産本位制から株式本位制への大転換を宣言する形となった第1歩が、今回の日銀の株購入決定に繋がっています。
結論
今回のデフレ対策の中心は株式市場対策となり、日銀株購入決定の真に狙いは「円安誘導」にあります。日銀と政府サイドの政策は両輪となって始めてこの対策は有効なものとなり、その時日本のマーケットのトレンドの変化も起こります。現在、政府サイドの政策発表は、10月末とのことですが、現実にはそれより早く打ち出される可能性が高いものと思われます。(特に市場が大きく下落した場合)日銀株購入決定をマーケットがまだ未消化の間・そして政府が打ち出す具体策の出される前が、今年2回目の最も勝つ確率の高いタイミングでの買い場と判断できます。この認識のもとに、皆様も株式投資に対する投資方針や個別銘柄の選択準備を計っていただければと考えます。
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マーケット&テクノロジーズ(株)
内山俊隆