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「金融不安には日銀と協力する形で、あらゆる手だてを講じる−」
昨日(9月19日)、小泉純一郎首相は「内外情勢調査会」で講演を行い、その席上こう断言してみせた。
「(不良債権処理については)2004年には、正常化できるよう処理を加速する態勢をつくりたい」
小泉首相はこうも付け加えている。
「そうした一連の首相発言を聞く限り、政府は事実上の“金融危機宣言”を行った、とみていいだろう。そうなると、柳沢伯夫金融担当大臣以下『今は、金融危機といえる状況にない』としてきた金融庁の責任は、極めて重大だ。まさに犯罪行為ですらある」(大手都銀役員)
昨日(9月19日)の東京株式市場は、日銀による“銀行保有株買い取り宣言”を好感し、銀行株を中心に急騰する形で取引がスタートした。
一時は前日の終値比411円高となり、9883円をつけたものの、後場に入って株価は伸び悩み、最終的には前日比197円56銭高の9669円62銭で引けた。
「マーケットサイドとしては、昨日午後行われた“首相講演”に注目していたのです。ところが、その場において小泉首相から具体的な政策が明示されなかったために、株価上昇に急ブレーキがかかってしまったのです」(大手証券会社首脳)
こうした状況から考えて、“日銀宣言”のマーケットに与える影響は極めて限定的だ、といっていいだろう。
「しかも、日銀が銀行から買い取る株式の規模は1兆円程度にとどまるだろう、という観測が広まり、マーケットの反応も鈍くなってしまったのです」(前述の大手証券会社首脳)
そもそも日銀が買い取りの対象としている大手銀行15行は、現在4−5兆円規模の余剰株式を抱えているのが実情だ。
「こうした“余剰株式”については、2004年9月期中間決算までにそのすべてを圧縮することが義務づけられているのです」(大手都銀幹部)
ところが日銀の買い取り規模が、前述のコメントにもあったように1兆円規模にとどまるようであれば、まだ3−4兆円規模の“売り圧力”が残ることになる、とみていいだろう。
「日銀自身の自己資本や準備金の状況を考えると、日銀が買い取ることができる株式は1兆円程度が限界になる。日銀サイドはこうした見立てを、官邸サイドにも伝えてきているのです」(官邸中枢スタッフ)
こうした状況を考えると、今回の日銀の決断は評価できるものの、その効果は限定的といわざるを得ない。
「政府サイドが日銀に続いて追加的措置をとらなければ、株価が再び下落し始めるのは必至。そうした意味で、金融庁に対するプレッシャーは強まることになるだろう−」(大手都銀役員) 官邸中枢スタッフも言う。
「金融庁にもやるべきことはキチンとやってもらう」
いよいよ金融庁は追いつめられつつあるようだ。