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配当政策への関心高まる(ウォール街ラウンドアップ)
【ニューヨーク=三反園哲治】十六日のニューヨーク株式相場は小動き。この日はユダヤ教の休日にあたり、市場参加者が限られ売買も低調。米店頭株式市場(ナスダック)の売買高は今年四番目に少なかった。債券相場は横ばい。外国為替市場では円安が進んだ。
ダウ工業株三十種平均は六七ドル四九セント高で取引を終えたが、前週末十三日の下げ幅六六ドル七二セントをちょうど取り戻した。ハネウエルの業績予想の下方修正をきっかけに先週末売られたゼネラル・エレクトリック(GE)などが買い戻された。
特に注目を集めたのが、JPモルガン・チェース株の下落。経営破たんしたエンロンなどと手掛けたエネルギー取引に絡み、JPモルガンが保険会社十一社に保険金支払いを求めた訴訟で、同社が負ける公算が大きいとの見方が市場で浮上。保険金を支払わないのは詐欺にあたるとした、JPモルガンの別の訴えが、米連邦地裁で先週末に却下されたためだ。
保険金が支払われないと、JPモルガンはエネルギー取引に絡む損失約十億ドルの計上を迫られる。損失計上で債務格付けが低下しかねないうえ、配当(直近四半期で一株当たり〇・三四ドル)政策に関心が集まった。リーマン・ブラザーズのアナリストは「減配と(格付け会社による)格付けの引き下げの可能性が一段と高まった」との見方を示した。
同社の配当利回りは十六日終値現在、年換算で六%超。三%台の十年物の米国債利回りと比べ、配当利回りの高さが際立つ。業績が悪化しても配当金を据え置いてきたためだ。だが、ここまで配当利回りが高くなると、もはや株価は減配の可能性を織り込んだと考えられる。
九月の四半期決算期末を間近に控え、市場では企業収益への関心が一段と高まっている。JPモルガンのように減配の懸念のある銘柄が増えるようだと、配当利回りという下支え要因の一つを失いかねないからだ。