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「アメリカに対して正確な情報を発信することは、今の日本にとって非常に重要なことだ。ともするとアメリカは、日本の一部関係者からもたらされた誤った情報をもとに、日本に対して誤った要求、指摘をしてくる恐れがある−」
この発言の主は誰あろう、加藤紘一前衆院議員だ。
筆者はこの連休期間中、取材で山形県鶴岡市を訪れ、加藤氏と数時間に渡って親しく懇談する機会を得た。
酒を酌み交わしながらの非常に楽しい、そして筆者にとって極めて有意義な一時を得た。ただし、この“懇談”の具体的な内容については加藤氏との約束もあり、明らかにすることはできない。ただし誤解を避けるために一言申し添えておくと、ここでは生々しい政治の話は一切なかった。
加藤氏は来月中旬、米・ニューヨークに渡り、コロンビア大学で旧知の米国人教授と共同で授業を受け持つのだという。
「とりあえずトータルで数コマの授業を消化することになりますから、帰国は年末ということになるでしょう」(加藤氏)
かつての精悍さが戻ってきた加藤氏は、まさに意欲満々といったところだ。加藤氏にはぜひ頑張ってほしいところだ。
「この“授業”の目的は、日本の事情を正しく理解してもらうことにある」(加藤氏)
なぜ筆者がこのエピソードをここであえて紹介したのかというと、いわゆる“不良債権処理問題”が米国側の誤った認識、そして誤った要求を受けた日本側の対応が、大きく迷走し始めているからだ。
去る9月12日、小泉純一郎首相はブッシュ米大統領との間で、「不良債権処理の加速」を進めることで合意に至った。この結果、邦銀における不良債権処理の加速化は、まごうことなき“国際公約”となってしまったのである。
この“国際公約”に最も驚いたのは、金融庁だった。
「そうした“国際公約”に関していえば、完全に寝耳に水の話。われわれとしても全く予想外の展開なだけに非常に驚いている。その件に関して官邸サイドとは事前に何のスリあわせもしていない」(金融庁幹部)
こと銀行の不良債権処理問題に関して言えば、金融庁は間違いなく“所管官庁”だ。
金融庁の無能、無策ぶりについては、当コラムでも散々指摘してきたところではあるが、それでも“所管官庁”であることは間違いない。
「その金融庁を全く無視する形で重要な政策が決まってしまうということは、金融庁は完全に機能不全に陥っているということに他ならない。今回の1件は、金融庁の権威を大きく低下させることになった」(大手都銀首脳)
官邸中枢スタッフが言う。
「金融庁が、金融問題に関するすべての政策立案権を持っていると思ったら、大きな間違いだ」
このコメントの持つ意味は極めて重要だ。
「それにしても問題なのは、誰が大統領−というよりもホワイトハウスに対して、邦銀の不良債権問題に関する誤った情報を吹き込んだのか、ということだ。もし仮にその人物が日本人だとしたら、その人物はまさに国賊モノだ」(官邸中枢スタッフ)
正確な情報発信の必要性が今ほど問われているときはない。