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(回答先: 米英の中東戦略 投稿者 あっしら 日時 2002 年 9 月 17 日 01:02:03)
911が既にして米当局者が関与したヤラセであったという前提に立てば、如何に景色が違って見えるのかが貴殿のご投稿を読んで良く分かりました。湾岸戦争以後のイラクへの査察は茶番(意図的な手抜き)で後の大規模攻撃を正当化するためわざとイラクに核開発を進めさせた、911は様々なイスラム防衛派(反米派)を叩くための口実作りだった、ムスリムへの軍事介入によりイスラム諸派同士の抗争や反政府活動さらには反米ゲリラ活動までをも激化を誘発させ、最後には残滓をきれいに掃除して、反米、反西欧の毒素を抜き取り、イスラエルと共存させる、そしてさらにその背後には、立ち行かなくなった国際信用制度の再構築プランにアラブを位置付けるためのリシャッフリングの意図がある、と。
私はこの種の陰謀論を頭から全て否定するものではありません。むしろそれらのある割合は真実だろうと思います。一国の内政であれ、国際政治であれ、様々な利害や信念を持った生身の人間同士がぶつかり合う闘争ですから、あって当然とすら言えます。
さらに言えば、そうした陰謀に端を発する情勢に我が国がコミットを求められた場合、それが”大義名分”として芸術的に仕上げられているならば、乗らざるを得ないとも考えています。人にも国にも分と言うか、求められる役割分担というものがあり、「うまいこと動かされているんだろうな」と感じつつも道を踏み外すことなく、それを履行しなければならないものです。我が国の国是は世界でリーダーシップを発揮することでも覇権に逆らって民族の意地を見せる事でもなく「できるだけ軍事的なコミットを避け経済的繁栄を追求する」ことです。卑屈でも自虐でもなく、そういうことなのです。
私自身は、911に米国政府機関の人間の関与があったとは思っていませんし、今次のイラク攻撃も対テロ戦争の象徴的戦争であり、それなりの緊急性を要する事も事実なのだと考えています(マスコミ発表を鵜呑みにしている立場です)。アフガンでそうであったように、その時点で必要と思われるものを叩く、単純にそう言う事だと見ています。無論、(これもアフガンでそうであったように)その後の自国にとって有利になるイラクの国家運営などについても色々と考えてはいるでしょう。しかし、意図的に中東地域の広範にわたる混乱を招き寄せ、軍事的コミットを継続するための長期的戦費調達まで視野に入れ、さらにその先に計画的国家債務デフォルトの実行と新世界信用秩序の発表まで読み筋に入っているとはどうしても思えない。
一言で表現するなら、「そんなに何もかもうまくは運ばない」ということです。日本でも米国でも政策当局者は日々生起する不確実性に対処するだけで通常は手一杯です。そうした中でラディカルかつ洗練された長期ビジョンを示すには、相応の時間や議論が必要なことは勿論、それをぜひとも必要とする客観情勢が誰の目にも見えている必要があります。米政権及び関連のシンクタンクの活動を直接間接に見聞する範囲ではとてもそのような大規模なプランの策定が進んでいるとは思えません。何にせよ、新たな視点を与えられ大変有意義でした。