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【銀行】
日本の金融機関は全体で135兆円もの不良債権を抱える。その償却に充てられる原資は、本業の儲けである期間収益と、保有する株式の含み益しかない。
主要行の含み益は、日経平均株価が1万1000円台であった3月末の時点ですでにほぼ枯渇していた。それが、現在は9000円台。評価損はこの半年間で一挙に4兆〜6兆円に拡大した。
一方、全国の銀行の年間の業務純益合計は4兆6000億円。景気低迷で、この3年間の業務純益合計は横ばいとなり、収益力は伸び悩み気味だ。株価急落に伴う含み損の拡大は本業の収益を喰い、原資は干上がった。
さらに50%以上下落した株式の含み損は減損処理して損失を計上しなければならず、自己資本比率の低下も必死だ。
【生保】
大手生保の含み益が消失する日経平均株価は3月末時点で日本生命が8400円、明治生命が9400円、第一生命が1万円だった。住友、朝日、三井の生保3社はこれまでに不良債権の処理などで含み益を吐き出しており、含み消失レベルは、1万2400円〜1万2500円と高めだ。それだけ、株価下落の際の「抵抗力」は弱く、1万円を割れば割るほど含み損が急拡大する。あるシンクタンクは、もっとも含み損が大きいと見られるのは住友生命で、3000億〜5000億円程度と試算した。
朝日生命は、保有する富士通株の急落が悩みの種だ。IT銘柄とさんざんもてはやされてきたが、3月末の1000円台が、いまや600円台。富士通の第3位の大株主である朝日生命は、同社株だけでも数百億円規模の含み損を抱えた模様。三井生命も2000億円程度の含み損がありそうだ。
【銀行と生保の連鎖】
生保は銀行との結びつきが強い。保有株のうち10〜30%を銀行株で運用しており、その下落は運用成績の悪化に直結する。銀行も逆に、劣後ローンの引き受けなどで、生保を資金支援しているため、連鎖的な危機を招きかねない。
【恐慌の前夜】
いったんは回復基調に乗ったと思われた米国経済にも暗雲がただよい、輸出頼みの日本の電気・自動車はど、輸出産業の業績を悪化させていく。米国などの外資系の銀行や証券会社は本国の株価暴落で生じた損を、手持ちの日本株などを売って穴埋めする方向に動くため、外国人投資家による日本株売りに拍車がかかる。こんな2重、3重の悪循環に日本ははまり込んだのだ。
8月第4週に株価が100円を割り込んだ企業は140社を数え、東証1部上場企業の約1割に達している。あるエコノミストが、昨今の市場を評して言った。
「まるで恐慌型の株価形成。このままではすべての産業でクラッシュが起きる。もう、その前夜だ。」