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地価はすでに11年連続で下落し、都心の一部に下げ止りの気配は見られるものの、先行きも不透明である。他方、この間、土地の「適正な時価」に1.4%の標準化税率を適用している固定資産税の負担は、確実に増加し続けてきた。このような固定資産税の増加は、94年度の評価替えによってもたらされた。土地評価の適正化を図る目的で、評価額を国土庁(現国土交通省)が毎年、3月に公表している公示価格の7割の水準まで一気に引き上げたのだ。その結果、前年度と比べた評価額の増加は、全国平均で4倍、東京都心で約9倍にまで跳ね上がった。ただ、当時の自治省(現総務省)は、この大幅引き上げを直ちに税収に反映させることはせず、長期の負担調整を行う観点から、段階的に課税対象となる額を増加させていく措置を取った。
このことが、結果として、「地下が下落しても固定資産税額が増加する」という現象を引き起こしてきた。例えば、94年の公示価格が100万円、評価額が70万円の土地の場合、引き上げ幅が全国平均並とすれば、前年は17万5千円だった。数年後に公示価格が60万円に下がり、評価額が42万円になったとしても、93年投じの評価額と比べと2.5倍程度にあたる。税負担はその水準まで徐所に引き上げられることになる。
納税者側は地価下落が続く中、税負担増を強いられ、今後とも高止まりの状況にあることに強い不満を募らせている。
固定資産税などの土地税制は「土地神話」の下に「土地を持つ事の有利性を縮減する」ために増税されてきた。しかし、工場の海外移転などによる実質的な土地輸入、少子化や人口減による宅地需要の減少、現存会計の導入で土地の不利性が高まっている現状を考慮すると、負担水準は抜本的な見直しが必要とされている。
しかし、固定資産税は地方の税収の大黒柱となっており、おいそれとは減額できない事情にある。