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救世主か外資の手先か−。竹中平蔵金融・経済財政担当相が、不良債権処理加速のため新設するプロジェクトチームに、元日銀マンで金融コンサルティング会社社長の木村剛氏(40)起用の見通しが強まり、市場に衝撃が走る。「公的資金をジャブジャブと銀行に注入し問題企業を一気に整理」という木村氏のハードランディング路線が採用される可能性は高く、竹中−木村コンビの“荒療治”が倒産ラッシュに拍車をかける恐れもある。
プロジェクトチームは座長が竹中金融相で、金融庁から高木祥吉長官と局長ら5人程度、木村氏や日本公認会計士協会の奥山章雄氏ら民間から約半数が起用される。
竹中金融相はこれまで、銀行の資産査定の厳格化や経営目標を設定し、弱い銀行には公的資金を注入、国有化を視野に入れると持論を述べており、木村氏の論調と共通点が多い。18日の臨時国会召集前までに中間報告をまとめるという急なスケジュールからみても公的資金注入に前向きな結論が確実視されており、「今は危機ではない」と言い続けた柳沢伯夫前金融相と正反対の路線に突き進みそうだ。
確かに銀行経営にとって不良債権問題が大きな足かせとなっているのは事実だが、不良債権処理と景気回復は直接の関係はない。むしろ大企業や銀行を含めた倒産ラッシュなど強烈なデフレ圧力となる危険性が高い。一方で雇用の受け皿は整備されておらず、失業者も爆発的に増加する。竹中金融相がペイオフ解禁を1−2年の幅で大幅延期する方針を固めたのも、こうした非常事態を意識したとみられる。
これまで不良債権処理の加速を買い材料とみなしていた株式市場も、いざ現実化しそうだとおびえはじめ、2日午後に木村氏起用の一報が伝わると急落した。
木村氏は東大経済学部卒業後、日銀に入行、旧金融監督庁の金融検査マニュアル検討会委員も務めた。退職後は、金融コンサルティング会社経営のかたわら、日本の経済危機を描いた小説や、テレビ番組への出演で知られていたが、過剰債務を抱える大企業「30社リスト」を小泉首相に見せて、銀行の引き当て不足を直言したことで一躍有名になった。
ついに政策の場に参加することになる木村氏だが、経営するコンサルティング会社は、金融機関を対象とした「模擬検査」の実施を主要業務の1つとしており、不安を煽っておいて、自社のサービスを売り込む結果になるのでは、と公平性に疑問の声も出ている。
また、竹中氏も木村氏も不良債権処理の加速を要求する米国の意向と奇妙に一致しているのも気になる。企業や銀行がバタバタと倒れ、「気がつけば片っ端から買い漁るのは、外資」(国内証券)というシナリオが現実となってしまう−と考えるのは杞憂(きゆう)だろうか。