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「来年４月に予定されていた“ペイオフ全面解禁”については、少なくとも２年間延長されることとなった。この決定については、小泉首相はもちろんのこと、塩川財務相、福田官房長官も了解している−」
官邸中枢スタッフがこう断言する。
昨日（１０月２日）午前、竹中新金融担当相（経済財政担当相）は首相官邸で小泉首相と会談し、ペイオフ問題に関する対応を一任された。
「そもそも竹中新金融担当相は、ペイオフ解禁については時期尚早として単純延期論者だった。そうした点から考えても、この“一任”によって、ペイオフ問題への対応の流れは決まってしまったのです」（官邸中枢スタッフ）
とは言うものの、小泉首相はこれまで「ペイオフ解禁＝構造改革」と位置付けていたことから考えると、今回の決定は、それこそ小泉首相が錦の御旗に掲げていた“構造改革”の後退を意味することになるのではないだろうか。
「それは違う。小泉首相としては、“ペイオフ全面解禁”に耐えられるだけの金融システムを構築することこそが、構造改革につながるとしていたのです。ところが現在の金融システムの状況は、とても構造改革と呼べるような状態にない、という認識が小泉首相にはあるのです。そこでペイオフ全面解禁を延期する向こう２年間で、構造改革の名に値するような金融システムを構築せよ、と竹中新金融相に指示を出したのです」（官邸中枢スタッフ）
こうした説明を聞く限り、“ペイオフ全面解禁”の延期は、金融機関サイドにとって決して歓迎すべきことではないことがわかるはずだ。
「つまり２年後−この部分に関しては最終的に確定していませんが−の“ペイオフ全面解禁”までに、処理すべき不良債権は処理し、処理すべき金融機関は処理する、ということに他なりません。“ペイオフ全面解禁”が延期されるからと言って、金融機関サイドは単純に喜んでばかりいられないでしょう」（官邸中枢スタッフ）
そもそも竹中新金融担当相は、「現在の金融マーケットは、供給過剰の状態にある」と主張し続けてきた人物だ。
ここで言う“供給過剰”とは、“オーバー・バンキング（銀行過剰）”と同義語と見ていいだろう。
従って、“ペイオフ全面解禁”を延期するということは、その間に大規模な銀行淘（とう）汰（た）が進められる可能性が大きいということだ。
「竹中新金融担当相は、場合によってはメガバンクの一角すらも“国有化”という名を借りた淘汰を行うことも視野に入れているようです」（自民党首脳）
しかもこの自民党首脳によれば、「いわゆる“大手３０社”に名前を連ねる大手企業についても、竹中新金融担当相は何らかの処理、処置を考えているようです」
株式市場は、どうやらこうした状況を敏感に感じ取っているようで、昨日（２日）の東京株式市場は３日連続の下落となり、日経平均株価は前日比１１２円９３銭安の９０４９円３３銭で取引を終えた。
この“９０４９円３３銭”という終値は、９月４日に記録したバブル崩壊後最安値（９０７５円０９銭）を下回ったのである。
「まさに“竹中ショック”以外の何物でもない。景気対策に着手しないまま“構造改革”を進めるようであれば、株価はさらに下落することになるだろう」（大手証券会社役員）
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。