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(回答先: 不良債権処理加速策検討チーム、3日に人選公表し週内初会合=竹中経済財政・金融担当相[東京2日ロイター] 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 10 月 02 日 23:12:31)
内閣改造で金融相兼務となった竹中経済財政相は、金融庁幹部と民間有識者からなる特別プロジェクトチームを今週中に発足させ、最大の懸案である不良債権処理の加速策の策定に着手する。銀行への公的資金活用を視野に入れた新法制定や、ペイオフ(破たん金融機関からの預金払い戻し限度額を元本1000万円とその利息に限る措置)の延期問題などが主なテーマだ。プロジェクトチームには不良債権処理の積極論者である金融コンサルティング会社社長の木村剛氏や日本公認会計士協会会長の奥山章雄氏らが起用される見通しで、18日の臨時国会召集前に中間報告をまとめる短期決戦となる。竹中経財・金融相にとっては、不良債権処理の“急加速”を内外に印象づける狙いがある。
海外の市場関係者などが日本の不良債権処理の遅れを指摘する背景には、「金融当局が大手銀行の財務体力に合わせた不良債権処理を許してきた」との見方がある。このため、竹中経財・金融相は、漸進的な不良債権処理を進めてきた「柳沢路線」との決別を鮮明に打ち出すことが必要と判断したと見られる。
プロジェクトチームは、破たん前の金融機関に公的資金注入を可能にする新法の制定や、公的資金の注入は金融危機の認定が前提となる預金保険法を改正し、危機前でも機動的に資本注入できるようにするなど新たな枠組み作りを目指す。銀行の資産査定の厳格化と引き当て強化を前提に、整理回収機構(RCC)の不良債権買い取り価格引き上げも課題だ。
首相の諮問機関の金融審議会が答申した決済性預金の全額保護や、5か月間のペイオフ延期の方針も、「国民には分かりにくい。すっきり納得できるような答えを考えたい」と再検討する方針を示している。
竹中経財・金融相は「2週間くらいで中間報告、今月中に包括的なシナリオを示したい」との考えだが、実際には「ゼロから議論していては間に合わない」(金融庁幹部)ほど内容の濃いテーマだ。
銀行の資産査定の強化を主張し、不良債権処理の“急進派”ともいえる木村剛氏などがメンバーに起用される見通しで、「メンバーの顔ぶれを見れば結論は明らかだ」(金融関係者)との指摘もある。金融庁は事務方に徹し、竹中経財・金融相と民間有識者が主導する「まず公的資金注入ありき」の議論となる可能性もある。
不良債権処理の加速と金融機関への公的資金注入には強い抵抗も予想される。2日の東京株式市場は、不良債権処理の加速がもたらす景気悪化を先取りする形で大幅に株価を下げており、議論は波乱含みだ。
不良債権の最終処理を急速に進めると債務者企業の倒産や失業増など短期的には痛みが伴い、デフレに苦しむ日本経済がどこまで耐えられるか疑問だ。失業対策や企業再生の支援などセーフティーネット(安全網)を作るにも、歳出抑制を目指す財政当局との折衝は難航しそうだ。
また、資金注入に伴い経営責任を問われることを嫌い、金融機関は進んで資金注入を求めないことが予想される。当局による強制的な資金注入にはより抵抗感が強い。
民間有識者を登用して政策の方向性を決める竹中流の行政手法は迅速で大胆な意思決定が可能だが、「大臣も含めて民間有識者が決定した政策の結果責任をだれが負うのか」(大手行幹部)との反発も強い。プロジェクトチームが期待通りの成果をあげられるかどうかは不透明だ。