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小泉首相は2日、来年4月に予定されていたペイオフ全面解禁を延期する方針を固めた。この問題で首相から一任を受けた竹中金融相が同日昼、自民党の麻生太郎政調会長、相沢英之デフレ対策特命委員長と会談し、一致した。利子のつかない普通預金である「決済用預金」と当座預金を恒久的に全額保護し、ペイオフ解禁は5カ月間猶予するとした金融庁の方針は白紙に戻る。柳沢・前金融相更迭による小泉首相の政策転換の一環で、今後、金融機関への公的資金再投入を視野に入れた金融行政の抜本見直しが加速しそうだ。
竹中氏はペイオフ全面解禁の延期と同時に、公的資金注入などの金融システム改革の抜本策を取りまとめ、今月中に公表する意向だ。
竹中氏は2日午前、首相官邸で首相と会ったうえで、麻生、相沢両氏と会談。竹中氏がペイオフ問題は首相から一任されていると説明したうえで、3氏は「全面解禁延期」で合意した。
これまでの金融庁案について、3氏は(1)新たな「決済用預金」への移行を預金者に確認するのに手間がかかる(2)システム整備に十分な期間が必要(3)システム上のトラブルが起きた場合、政府の責任が問われる――などの理由から「5カ月ではなく当分の間、延期するのが妥当だ」と判断。「当分の間」は1、2年を想定している。
3氏は同日の会談で公的資金投入についても意見交換した。麻生氏は公的資金を投入する場合も、不良債権処理を加速するための土地税制改革やデフレ圧力を解消する補正予算編成の必要性を強調した。
竹中氏は今後、延期期間などの細部を、自らがトップになる官民のプロジェクトチームで詰める。預金保険法改正案に盛りこみ、18日召集の臨時国会に提出する。
会談後、相沢氏は公明党の北側一雄政調会長と会い、複数の期間延長案をあげて理解を求めた。自民党執行部では堀内光雄総務会長が延長論に立っており、保守党も同様だ。全面解禁延期の方向は揺るがない状況だ。
首相は7月末、「決済システムに混乱がないよう万全を期してほしい」と決済用預金創設を金融庁に指示し、事実上全面解禁を見送った。その後は「ペイオフ実施は来年4月、予定通り」との発言を繰り返していた。
全面解禁延期に踏み切ったことで今後は、これまで明確に政策転換を示してこなかった首相の姿勢が、国会などで問われる可能性もある。