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竹中経済財政・金融担当相が、産業と金融の一体再生を強く打ち出すなか、経済産業省が金融庁に急接近し始めたとの見方が強まっている。産・金一体再生は、柳沢前金融担当相も練っていた構想だが、経産省は強く反発した経緯がある。ここに来て経産省の態度が急変したのは、「過剰債務企業処理の責任を金融庁に押し付けるためではないか」(内閣府中堅幹部)との見方も出ている。
急接近の一つの理由として関係者が指摘するのは、2日に金融担当副大臣に就任した伊藤達也衆院議員。竹中担当相は従来の経済財政担当に加えて金融担当を兼任することになるため、「副大臣は仕事ができる人でないと回らない」(金融庁関係者)との期待がかかっていた。自民党関係者によると、伊藤氏を副大臣に抜擢した背景には、竹中担当相の強い意向があったという。
伊藤氏は、橋本派に属する当選3回生。「経済産業部会長を務めるバリバリの商工族」(自民党関係者)という。ただ、金融行政の手腕については未知数で、その意味では、金融関係者の期待は裏切られたかたちとなった。
しかし、竹中担当相は、ロイター通信などとのインタビューで産業再生について、「経産省にしっかり考えてほしい。大口の債務者が特定の業種に偏っている。その業種についてどのようにするかが当面の課題だ」と語るなど、不良債権処理問題に経産省としても取り組むべきとの考えを示している。このため、副大臣にあえて「商工族」を起用した背景には、経産省と金融庁との連携強化を図る狙いがあるとの見方が強い。
ただ、9月中旬に柳沢前金融相が金融と産業の一体再生を図るために金融庁と経産省、国土交通省を巻き込んだ戦略会議の設置を構想した際には、経産省が激怒し、同省幹部が金融庁に電話で抗議する一幕もあった。反対の理由は、「破綻企業の処理コストを、産業界に求めてもらっても困る」(経産省関係者)からだったという。
それだけに、今回、経産省と金融庁との連携策が、すんなりと行くとの見方は少ない。内閣府の中堅幹部は「経産省なりに不良債権処理問題に関わらざるを得ないと考え、金融庁に破綻処理の責任を負わせるべく、積極的に動き出したのではないか」と語っている。