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またまた思いつき政策が飛び出した。デフレ対策として、先行減税の規模を1兆円から一気に2.5兆円超に拡大する案に理解を示した小泉純一郎。しかし、「改革なくして回復なし」との路線で景気を悪化させてきた失政を反省したわけではなく、やはり12日のブッシュ米大統領との会談への手みやげに過ぎないようだ。問題は減税の財源で、永田町では「小泉首相はどこからカネをひねり出してくる気なのか」と首をひねる向きも多い。
「財務省の従来の政策が常に正しくはなかったはず。反省してもらうことがあると思う。財務相がよく指導力を発揮してほしい」
小泉首相は9日の経済財政諮問会議で、塩ジイこと塩川正十郎財務相を名指しで批判するというきわめて異例の光景を見せた。
これまで先行減税の論議は、塩川財務相が主張する「2兆減税、1兆増税で、差し引き1兆円減税」の線で進行。最終的には増税額と減税額を同じにする税収中立となっており、経済効果のほどが疑問視されていた。
そこで、9日の経済財政諮問会議で、牛尾治朗・ウシオ電機会長ら4人の民間議員が、法人税率の引き下げと研究開発に対する政策減税などにより、減税額を国内総生産(GDP)の0.5%程度、金額にして2.5兆円まで拡大する「緊急提言」を行った。財源には歳出削減や法人税率の引き下げ、国有財産の売却であてるという。
これに対し、塩川財務相は「短期的な経済動向で減税の規模を先に決定することは適切でない」と反論。これに業を煮やした小泉首相が一喝、という構図なのだ。
もっとも、2.5兆円減税の財源とされる法人税率の引き下げには財務省の反対が強く、歳出削減も各省庁のきわめて厳しい抵抗が予想される。
また、小泉首相自身も「多年度税制中立」の原則を崩したわけではなく、減税額が大きくなればなるほど、将来の増税額も大きくなるのは必至で、景気刺激効果は不透明だ。
減税の時期についても与党は年内実施を求めるが、実現しようとすれば「国債30兆円枠」の公約を破らなくてはいけない事態も予想される。
それより何より思いつきの出血減税額アップだから、ブッシュ会談を乗り切り、目先の株価が回復すれば、減税論議もいつの間にかしぼんでしまう可能性もあるのだ。