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塩川正十郎財務相は10日の閣議後の記者会見で、経済財政諮問会議の民間議員が来年度に2兆5000億円を上回る先行減税の実施を求めたことについて「減税を増やすのは結構だ。その方向で進んでもいい」と述べ、減税規模の拡大に理解を示した。ただ、複数年度で増減税の規模を同額にする一定期間内の税収中立が前提になるとの見解を強調した。
先行減税を巡っては、小泉純一郎首相が1兆円超の減税を指示していたが、株価急落を受けて諮問会議の民間議員が規模の拡大を求めた。財務相は先行減税の規模について「てんぷらの衣を付けたり削ったりするようにはいかない」と述べたうえで、「どこにどんな減税をし、どんな効果があるか計算しないといけない」と指摘。経済効果を明確に説明する必要があるとの考えを示した。
諮問会議の民間議員が求める法人税率の引き下げについても「効果があるなら考えてもいい」と柔軟に対応する姿勢を示した。ただ「単に東南アジアが低いからというだけでは(国民は)納得してくれないと思う」と述べ、減税と一体で決める増税への理解を得るためにも、減税策の中身については議論を一段と深める必要があるとの見解を示した。