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スタンダード・チャータード銀行――増益の中間決算好感(銘柄点検欧州)
中国展開も買い材料に
香港を中心に新興市場で事業展開するスタンダード・チャータード銀行の株価が堅調だ。七日の二〇〇二年六月中間決算の発表を境に上昇に転じ、二十二日までに四〇%上昇。二十七日は前日終値に比べ二一ペンス高の七七九ペンスで取引を終えた。
中間決算は純利益が四億千六百万ドルと前年同期比三%の増益だった。クレジットカード関連の個人破産の急増で貸倒引当金繰入額を増やしたため、香港の営業利益が減少。経済危機の深刻化で引当金を増やしたアルゼンチンも赤字となったが、それ以外の地域の利益は増加。「世界的な株式市場の低迷にもかかわらず、増益を維持した」と好感された。
デイビス最高経営責任者は「株価低迷で延期している香港証券取引所への上場も年内にこぎつけたい」と表明。市場は「取引の流動性が高まる」(米系証券)と受け止めた。中国本土について、七月に上海で第一号店を開設し、今後北京などでも支店を増設する意向を示したのも株価を支えている。中国では二〇〇七年までに企業・個人向け人民元業務が外銀に開放される予定。
決算後、米モルガン・スタンレーは投資評価を「中立」から「強気」に引き上げると発表。米リーマン・ブラザーズも今後一年間の株価目標を七五〇ペンスから八〇〇ペンスに上方修正した。