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コメルツ証券会社東京支店・ファンダメンタルリサーチ部ストラテジストの宮島秀直さんは、米国年金・投信、英国年金、ヘッジファンド等外国投資家に対してデフレ緊急対策への反応を聞いたところ、次のようなコメントが寄せられてと言う−−。
(1)公的年金等によるETF購入
「今年の3月にも公的年金によるETFの購入が行われ株価上昇に寄与している。今回の規模は、2兆円に達するという報道が本当なら、前回以上に株価に浮揚力が生じる可能性がある。しかし今までも繰り返しているように、この政策自体は短期的な浮揚効果しかなく、その後のフォロースルー政策を立てる段階で政府の態度が弛緩してしまう場合が多い。したがって、むしろ買い上げ効果が消えた時点での反落リスクが高まる」(米・英年金、米投信他多数)。「ETFの買い上げによって証券各社によるTOPIX指数先物の買い戻しが入るので短期的に反発するリスクが高まった。しかし、現物市場の信用買い残に対し売り残が少ないので、株価反発は長続きしないだろう。(ヘッジファンドの一般的な行動として)、政策実施の時期が近づいたら短期的には一旦ショートを縮小するが、3カ月タームでの戦略スタンスは変えない」(ヘッジファンド)
(2)日銀によるETF買い上げ
「日銀によるETF買い取りについては毎回話が出るが、いつも実現していない。今回も日銀内部の反対にあって実現しないのではないか?」(米年金他)。宮島さんによると、通常の方法では日銀によるETFの購入には法改正が必要だが、「担保資金供給オペによる購入ならば現行法でも購入は可能」。
(3)RCCの機能強化
@RCCの不良債権買い取り価格の引き上げ、ARCCへの財政資金投入で買い取り機能を高める、のいずれも実現すれば評価できるが、短期的な時限措置にするならば「応急措置」なので、評価は限定的、と見る。
<失望すれば年末に再度、9000円割れもあり得る>
総じて、次のようなコメントが多く聞かれたと言う。「短期的に指数ショートの買い戻しが生じて株価は反発するが、今年3月〜5月程度の短期現象に止まり、むしろ、そこで持ち合い解消などが始まり株価上昇は長続きしない」。彼らの注目は応急措置ではなく、それが効いているうちに、「政府が今度こそ長期の含蓄ある構造改革・不良債権対策(証券税制の抜本的な見直しや大規模な企業整理)を準備できるか否かが投資スタンスの分かれ道」との意見が多かった。この点に失望が広がった場合、「年末に再度9000円割れもあり得る」と言う。