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大阪地裁が1月に導入した、従来より安く短期間で債務整理ができる破産の新制度「小規模管財手続き」の利用が進み、8月末で申し立てが570件に達した。
不況で破産件数が過去最高を更新する中、債権者と債務者の双方が迅速に「再スタート」できるため各地の地裁で採用の動きが広がっているが、大阪地裁は、弁護士以外に司法書士による申し立ても条件付きで認めることを検討し、弁護士の少ない地方でも実施できるモデル作りを目指す。
この手続きは、債権者100人以内、見込み財産500万円以下などで適用される。
適用が認められると、裁判所選任の管財人が破産者の財産を債権者に配当する「管財手続き」の報告義務などが簡素化される。個人で50万円以上、法人は100万円以上必要だった申立費が一律20万円程度となり、1年以上かかる手続きも3か月以内に短縮される。
大阪地裁によると、8月末までの申し立ては管財手続き全体(約1500件)の38%を占めた。これまでだと費用が工面できず、法人の法的処理を放置したまま自己破産したような中小企業経営者が、債権者に責任を果たそうと申し立てるケースが多いという。個人破産でも、消費者金融から貸金返還訴訟を起こされた会社員が、給料差し押さえも予想された判決の前に短期間に債務整理を終え、差し押さえを免れた例もある。
同様の制度は東京地裁が初めて導入。大阪のほか横浜、神戸など各地裁でも導入が相次いでいる。一部の支部を除き、弁護士が申し立て代理人となる場合だけ認める裁判所が大半という。大阪地裁では大規模地裁としては初めて、司法書士に対しても資料収集や事情聴取など一連の作業に関与することなどを条件に、認める方向で検討している。
大阪地裁第六民事部の森宏司・部総括判事の話「予想を大きく上回る需要だ。法制審議会で検討中の改正破産法でもきちんと位置づけられるよう、事例を重ね有効性を実証していきたい」