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「まさに“緊張感なき底割れ相場”言ったところか。日経平均株価は、バブル経済崩壊後の最安値をあっさり更新してみせたが、意外なことにマーケットにはそれほど悲愴感はただよっていない。やはり、保有株式の評価損が決算を直撃する年度末までにはまだ6カ月以上あることからか、金融機関を筆頭とする各企業に緊張感はまだ出てきていない」
大手証券会社役員がこう言ってみせる。
昨日(3日)の東京株式市場は日経平均株価が6日連続の下落となり、今年2月6日に付けたバブル経済崩壊後最安値の9420.85円を割り込み、終値で9217.04円(前日比304.59円安)を付けるに至った。
またTOPIX(東証株価指数)も同様に2日安値の922.51ポイントを下回り、904.24ポイント(前日比26.12ポイント下落)を付けたのである。
「東証1部上場の値下がり銘柄は、実に1359銘柄にのぼり、まさに“全面安”の展開となったのです。しかも値下がり銘柄のうち新安値を付けた銘柄は実に223銘柄に達し、マーケットはクラッシュ寸前の状況に追い込まれたと言っていいでしょう」(前述の大手証券会社役員)
一連の株価下落の直接の要因とされているのは、8月30日に発表された七月の鉱工業生産指数が2カ月連続して減少を示したことだ。
7月の鉱工業生産指数はマイナス0.4%となり、マーケット平均予想の0.8%増を下回ることになったのである。
「こうしたことから9月以降も、生産者サイドのマインドも冷え込むことが予想される…」(前出の大手証券会社役員)
こうした状況の中で最も注目すべきなのは、銀行−特に公的資金投入銀行の決算動向だ。“決算動向”とは言っても、9月未決算−つまり中間決算のことを指しているわけではない。ここではあくまでも来年3月末の“本決算”を指す。
大和総研が試算したところによれば、昨日段階(3日時点)の株価水準では、大手銀行13行が保有する株式の評価損は、何と4兆737億円にも達しているのが実情だという。
昨年度から会計制度が変更され、こうして発生した株式評価損のうち6割を配当原資である剰余金から差し引くというルールが設けられている(資本直入)。
「こうしたルールが設定されたことで株価が下落した結果、剰余金が枯渇し配当不能に陥ってしまう大手行も出てきかねない状況にあるのです。そもそも公的資金を導入し自己資本増強を図った銀行は、国に対して議決権を持たない優先株を発行する形で、公的資金を取り入れているのです。ところがこの“優先株”いついて言えば、無配転落となった段階で議決権が発生してしまうのです」(大手都銀幹部)
公的資金を導入している大手行の場合、各行平均して自己資本の約30%が公的資金によって占められているのが実情だ。
「つまり、“無配”に転落するということは、資本の30%以上を占める優先株に“議決権”が発生し、その結果事実上の国有化状態に陥ってしまうリスクにさらされることになるのです」(前述の大手都銀幹部)
もちろん、来年3月時点で株価が安全ラインまで上昇していれば何ら問題はないが…。
とりあえず、“本決算”の大よその傾向が見えてくる“9月中旬決算”には要注目だ。