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とうとうというか、ついにというか、TOPIX、日経平均がバブル崩壊後の安値を割り込んだ。買う材料がないのだから仕方がないといえばそれまでだが、ジリジリ下げる陰性な相場にはストレスが溜まる。それにしても、当局の”規制”にはいらいらが募る。政府関係者は「世界的な株安で、日本だけが下げているわけではない」とコメントしていた。本当にそうなのだろうか。
「市場活性化策」、「税制優遇策」の名のもとに行なわれる様々な規制が市場参加者の減少要因になっている面が強い気がしてならない。言い尽くされた感はあるが、複雑怪奇な税制優遇策は投資家の混乱を招くだけで、優遇の体をなしていない。専門家でも説明不能な優遇策より、例えばキャピタルゲイン税一律3%にすれば事足りるはずなのに……。財務省は国債について来年度から「利子非課税、インフレ率に応じて元本引き上げ」という非常にすっきりした、優遇し過ぎではないかと思われる制度を編み出した。国債にかかる税金が不要なのに、株式では「税収の確保」が優先される摩訶不思議。財務省が金を集めるためなら何でもありで、株式の投資家には背を向けてもいいらしい。
一方、先週、金融庁から「有価証券の空売りに関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)の概要の公表について」なるパブリックコメント実施が公表された。既に報道されていることが大半だが、信用売りに関する価格ルール適用と、新たに空売り価格ルール適用除外の採用について記載されている。
信用売りに関する規制拡大はこれまでも指摘されているように、ますます市場の流動性が失われていくことになりそうだ。例えば、「個人投資家の行なう信用取引」についても、売り付け1回あたりの数量を売買単位の50倍以内とする、となっている。これは、売買単位が100株の日産自動車ならば5000株ということになる。わずか5000株の売り注文が「相場を崩す」という判断は、いったい、どういう発想から出てくるのか……。空売りの禁止自体が将来の買い戻し要因の消失を招き、相場の躍動感を失わせる元凶。それを機関投資家のみならず、個人にも網をかけるというのだ。
こうした、投資家無視の「活性化・優遇策」を続ければ、無機質な相場を助長するだけだ。国の無策、いや、"余計なおせっかい"が招いた相場下落の根は深い。長期の相場動向を示すとされる日経平均の新値10本足はこの日、2月以来の陰転となった。