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来年4月のペイオフ(預金払戻保証額を元本1000万円とその利子までとする措置)全面解禁見直しに伴い、事実上の普通預金保護として検討されている利息ゼロの『決済性新型預金』について三井住友銀行は、各行の先陣を切って導入する方針を31日までに決めた。メガ4の他行も追随するのは必至だが、準備期間がたっぷりあるともいえないため、今春システム障害のパニックを引き起こした「みずほの二の舞」が心配される。
一方、新システムに金をかけたくない地銀や信金、信組では、導入が遅れた場合、“万一のため”などと導入行への預け替えで預金を引きあげられる事態もありうる。避けて通れない“踏み絵”を突きつけられた格好だ。
三井住友銀行が導入するのは、現行の普通預金を預金者の希望に応じ2分割し、一部を振り替えて決済専用口座とする方法。この口座の預金は全額保護されるが、無利子の上、一律数百円の口座管理料を徴収する。システム改変には1カ月程度かかり、経費は数億円だが、約2700万ある普通預金口座保有者への連絡コストなど総経費では数十億円かかるという。
金融アナリストは、今後の金融業界の動きをこう危ぶむ。
「金融庁の意向に沿って業界が足並みをそろえる“護送船団方式”が復活することになった。ペイオフは完全に骨抜きだ。そこで一番心配されるのが、みずほ銀行の対応だ。今年4月のシステム障害で、世界最大級の約3080万ある普通預金口座がマヒした。クレジットカード、電力、ガスから地方自治体まで影響が拡大し、約250万件の口座振り替えが遅れて、被害は甚大だった。今回の新型口座も個人の生活にかかわる決済すべてに直結するシステムだけに、大丈夫なのか…」
また、規模が小さい地銀、信金・信組の一部からは、「新たなシステム投資をする時間・コストの余裕はないが、乗り遅れれば、『あそこは、危ないのか』という風評被害にさらされる。危険な賭けに出るしかない」という悲鳴も聞こえてくる。
金融審議会(首相の諮問機関)は、来月初めにも『決済性新型預金』の具体案を発表するが、「小泉首相は、一時しのぎの鎮静剤のつもりだろうが、大手、中小ともメリットがない『銀行版タンス預金』の奇策は、かえって来春、新たな金融危機を引き起こす可能性をはらんでいる」(地銀関係者)