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小泉首相、訪朝もパフォーマンス?〜支持率アップに“危険な賭け”〔ZAKZAK2002/08/30〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 8 月 30 日 20:18:00:

小泉純一郎首相が9月17日に北朝鮮を日帰り訪問し、金正日総書記と首脳会談を行うことが30日、分かった。日本の首相が訪朝するのは初めてで、政府筋は日朝国交正常化交渉の再開を見極めるためとしている。先の赤十字会談や局長級協議で、日本側は8件11人にのぼる拉致問題の解決を前提条件にしているのに対し、北朝鮮側は「戦後の償い」を求め、平行線をたどっている。訪朝目的について、永田町では早くも「支持率アップを目指した小泉首相のパフォーマンス。金総書記は米朝関係の打開で日本を利用しようとしており、拉致問題での具体的進展は望めない」との観測が流れている。
小泉首相が北朝鮮訪問を決断したのは、日朝国交正常化交渉を進めるための前提となる日本人拉致問題などの諸難題を解決するには、両国トップによる政治決断が必要と判断したためだ。
日本政府は、7月31日にブルネイで行われた日朝外相会談から続いた一連の赤十字会談や外務省局長級協議の場で、北朝鮮側が国交正常化に前向きな姿勢を示していたのは、金正日総書記の判断があったと分析。交渉を進めるための絶好の好機ととらえていた。
今月25、6日に平壌で開催された外務省局長級協議では、小泉首相が金総書記にあてて、「国交正常化の諸問題や両国間の諸懸案に真剣に取り組むつもりがある。貴方としても誠意を持って真剣に取り組むことを期待する」とのメッセージを送った。
首相自らが積極的に正常化に向けて動き出すことをアピールした結果、日朝両国が「諸課題を解決していくために政治的意思をもって取り組むことが重要」との認識で一致した。
福田康夫官房長官が「最後は政治的判断ということもありえる」との認識を示すなど、小泉首相と金総書記のトップ会談による政治決断で問題解決を目指す方向を打ち出していた。
だが、国交正常化の最大の障害の日本人拉致問題については、具体的進展が見られていないのも事実。北朝鮮側は「拉致という言葉も存在しない」(金総書記)という立場を変えていないほか、日本に対しては「植民地時代の清算」を最大の課題と指摘し、謝罪と補償を要求している始末。
日本側は、ミサイル発射実験の凍結や日本近海で起きている北朝鮮工作船による不法活動や麻薬密輸問題などについても対応を求めているが、北朝鮮側が前向きな対応をするとは考えにくい。
自民党内などには「平成7年から12年にかけて北朝鮮に対して約120万トンのコメ支援を行ったが、結局は拉致疑惑で何の成果もえられずに北朝鮮の食い逃げを許してきた。北朝鮮の食糧問題は深刻さを極めているだけに、甘い言葉でまた食料だけを得ようという考えでは」といった慎重論も根強い。
拉致問題は外務省局長級協議だけでなく、過去11回にわたった正常化交渉でも具体的進展がないまま終了している。
拉致という「主権侵害」の犯罪国に、日本政府が「人道支援」を理由にコメ支援を続けることに、拉致被害者の者家族は「何が人道支援だ」と批判。一刻も早い解放を求め、官邸や外務省、自民党だけでなく、国連にも赴いて早期解決の実現を陳情している。
被害者の解放と、膠着した日朝関係の改善を望む声は強いが、小泉首相が北朝鮮問題に積極的に乗り出したのは、史上初の首脳会談を政権浮揚の強力な材料にしようとの思惑がある。
首相は6月のカナナスキス・サミット(主要国首脳会議)の場で拉致問題についてあえて言及、各国に理解を求めた。
日朝間の外務省局長会談など一連の協議についても、外交当局から逐一詳細な説明を受けるなど、首相が日朝関係打開のタイミングを慎重に探ってきた節がある。
9月下旬の内閣改造や秋の臨時国会など、今後、政権にとって大きなヤマ場を迎えようとしているが、首相としては外交面での指導力発揮をアピールし支持率回復に繋げたいと考えたようだ。
ただ、首脳会談で拉致問題などがどこまで実質的に進展するかは不透明で、「単なる思い付きで行った靖国参拝問題と同様に、首相は大きなしっぺ返しを食らう可能性も強い」(自民党幹部)。
政治評論家の浅川博忠氏は「やや持ち直したものの、低迷する内閣支持率を挽回し、9月末とみられる内閣改造・党役員人事の浮揚力にしたいのだろうが、極めて『危険な賭け』と言えそう」といい、こう解説する。
「ブッシュ米大統領とは直前の12日に首脳会談を行うため、細かく打ち合わせたうえで金総書記と会談するのだろうが、拉致被害者の返還といった明確な成果がなければ国民は納得しない。相手は一筋縄では行かない北朝鮮。首相には『外交に強い清和会の嫡流』という自負があるようだが、決して楽観視できない」
またもや日本政治が首相のパフォーマンスで大揺れに揺れそうな気配だが、果たして吉と出るか凶と出るか?
小此木政夫慶応大教授の話 小泉首相は「拉致問題の解決なしに日朝国交正常化はない」と言い続けてきたのだから、訪朝して首脳会談をするのなら、拉致問題と国交正常化の包括解決に向けた第一歩が動きだすということだ。久しぶりに外務省の外交能力が発揮された。背景には、米国がイラク攻撃を検討していることの朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への圧力、北朝鮮の経済状況、年末の韓国大統領選などがある。このタイミングを逃したら、ということで、両首脳が交渉を行う政治的決断をしたのだろう。日本は事前に米国に根回ししているはずで、国際情勢への影響も大きい。

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