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「とりあえず建て前上は“ペイオフ完全解禁”が実施されることになっている来年4月1日以降、実は最も懸念されているのは、地方公共団体の預金−つまり“公金預金”の動向なのです。この“公金預金”への対応の仕方いかんでは、資金繰りの面で非常に厳しい局面に追い込まれる金融機関も続出しかねない状況にある−」(大手都銀役員)
日銀が調査したところによれば、国内銀行および信用金庫を合わせた平成14年度第1四半期末(6月末)の普通預金残高をみると、合算ベースで過去1年間で73兆円もの増加を記録していることが判明したのである。
その内訳は、国内銀行で約65兆円の増加、信用金庫で8兆円の増加となっている。
「そもそも信金業界の普通預金残高は、昨年六月末の段階でトータルで18兆円程度だった。それに対して8兆円も増加したのだからまさに“激増”といっていいでしょう。つまりこの8兆円は、今年4月1日の“ペイオフ部分解禁”を受け、定期性預金からシフトしてきたものなのです。したがって、来年4月1日に予定されている“ペイオフ全面解禁”の対応しだいでは、この8兆円が再シフトしてしまう可能性が高いのです。信金業界はまさに戦々恐々ですよ…」(都内信金役員)
そして注目すべきなのは、この“8兆円”の内訳だ。その内訳は以下の通りになっている。
一般法人…2兆円増
個人…5兆円増
公金…1兆円増
「そもそも“公金”については、昨年六月末の段階ではわずか0.1兆円程度しかなかったのです。にもかかわらず、その1年後には、1兆円−正確には1.3兆円−にまで増加しているのですから、まさに異常です」(都内信金役員)
一方の国内銀行サイドでは、前述したように1年間で65兆円も普通預金残高が増加しているのが実情だ。
そしてその内訳は以下の通りになっている。
一般法人…24兆円
個人…32兆円
公金…9兆円増
国内銀行においても、昨年6月末段階での普通預金における公金の残高はわずかに2兆円に過ぎなかったのが実情だ。信金業界ほどではないにしても、その増加ぶりはまさに異常だ。
「そして懸念されるのは、来年4月1日以降、こうした“公金”がどのように動くかです。これまでの状況から考えて、“公金”がペイオフに対して非常に敏感であることが分かった。仮に恒久的に預け入れ資金の全額が保護される“新型普通預金”が導入されたとしても、問題がすべて解決するかどうかははなはだ疑問だ。なぜなら、口座維持手数料などを求めることが前提となっているからだ。地公体の担当者ははっきり言っている。『手数料が必要なのであれば、他に移す』と…」(大手都銀役員)
つまり、銀行・信金は最低でもトータルで約10兆円の“預金シフト予備軍”を抱えていると言っていいだろう。
「仮に“公金”の大量流失が発生した場合、大手はまだしも中小金融機関の経営を直撃することになるのは間違いない」(都内信金理事長)