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“塩爺”こと塩川正十郎財務相が「2兆円減税を3年間継続する」とぶち上げた。景気のいい大盤振る舞いのように聞こえるが、あくまで増税とセットになった「税収中立」が原則。その中身も、減税は企業向け、増税はサラリーマンや中小零細企業が対象という“弱い者いじめ”だ。しかも、減税期間が終わる4年目からは増税だけが残る。どさくさにまぎれて、増税だけを恒久的に続けようという財務省の“陰謀”の臭いがプンプンするのだ。
「2兆円を3年間続けたら6兆円の減税になる。増税は5年間かけて6兆円相当額にする」
塩川財務相は24日に長崎市内で開かれた記者会見で、先行減税を3年間継続することを表明した。
すでに来年度については2兆円減税と1兆円増税をセットで行うことを表明しており、減税額が増税額を上回る“差し引き減税”を3年間続け、増税の方はその後も2年間継続、帳尻を合わせようというシナリオだ。
減税については、企業の研究開発や投資を優遇する投資促進税制の導入が中心となる。「企業の投資活動を促し、景気を刺激すると同時に、国際競争力の強化につなげる」(財務省)のが狙いという。
一方、増税は、個人所得税の控除の廃止・縮小のほか、消費税の優遇措置の見直しが対象となっている。控除の見直しでは、収入の少ない妻を持つサラリーマンらに適用される「配偶者特別控除」や、高校、大学生を持つ世帯を対象とした「特定扶養控除」が俎上に上っている。
消費税では、売上高3000万円以下の中小零細事業者を対象に納税義務を免除する「免税店制度」の見直しが対象だ。
「度重なる拡充で、控除が増え過ぎ、4人に1人が所得税を払っていないという税の空洞化が起きており、控除の整理統合が必要。特に、配偶者特別控除は、妻の収入が一定額を超えると税金が増えてしまうため、仕事を増やさないようにするなど、女性の社会進出を阻害している。消費税についても、かねてから事業者の手元に税金が残ってしまう益税の解消が、納税の公平性の観点から急務だった」
これが、財務省および塩爺の言い分である。
お説ごもっともであるが、増減税一体といいながら、そのしわ寄せが、サラリーマンや中小零細企業に集中しているのは明らか。しかも、減税期間が終わる4年目からは1兆円を超える増税だけが行われることになる。「3年後に景気が回復している保証はなく、増税が景気の足を引っ張る恐れもある」(民間エコノミスト)のだ。
さらに、財務省関係者は将来的に恒久増税となる可能性を指摘する。
「減税の投資促進税制は3年間の時限措置となる可能性が高い。恒久措置にしてしまうと、『いつでもいいや』ということになり意味がないからだ。一方、所得税控除や消費税の優遇措置というのは、税の公平性など税制の根本的な問題。見直しは財務省主税局の悲願で、一度見直されると恒久的に続くのが当然。そもそも、時限措置の減税と制度的な増税をセットにするのが間違い」
財務省が実質的に取り仕切っている「政府税制調査会」では先にまとめた、「あるべき税制の構築に関する基本方針」で、将来の増税構想をぶち上げており、その流れとも一致する。「塩爺は財務省のいいなり」というのは霞が関の“定説”だ。うまい話にはウラがある、ということか。