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ペイオフ全面解禁は実質延期へ−。来年4月のペイオフ(預金の払戻保証額を元本1000万円とその利子までとする措置)が、事実上1年間先送りになる見通しが強くなった。金融庁が12日、ペイオフ全面解禁の見直しに伴い、全額保護を打ち出していた『決済性新型預金』(金利ゼロ)の導入を1年間猶予する方向で検討に入ったため。三井住友銀行が先月末、先陣を切って対応可能と宣言したものの、中小金融機関は準備不足で、システム障害を発生させた「みずほの二の舞」が心配されていただけに、ホッと胸をなで下ろしていることだろう。
「新たなシステム投資にかける金もなければ、時間もない」−。
地銀、信金、信組などの中小金融機関からは、こんな悲鳴まで漏れていた『決済性新型預金』。三井住友銀を筆頭に4大メガバンクでは一応、「1カ月でシステム変更は可能」(都銀幹部)としていたが、体力のない中小金融機関は震え上がっていた。仮に大手銀だけで先行して、見切り発車した場合、預金者が“万一のため”に、体力のある銀行に預金を預け替える事態も想定できた。それだけに“1年の猶予”とはいえ、体力のない金融機関にとっては朗報には違いない。
金融庁は今後、年度の区切りとして「導入1年延期」を軸に与党と調整に入り、まとまれば、平成16年3月末まで現在の普通預金全額保護が続き、ペイオフ解禁は実質延期となる。
ペイオフ全面解禁は迷走に次ぐ迷走だった。金融庁が新型預金導入を義務化はしないものの金融機関に“強要”する考えを打ち出したことに、東京三菱銀行の岸暁(さとる)相談役は「かなり違和感がある。現場でお客さまが納得するまで説明するのは銀行にとって天文学的な負担になる」と厳しく批判した。
その一方で、三井住友銀行は先月下旬に他行の先陣を切って導入する方針を表明。中身は、現行の普通預金を預金者の希望に応じ2分割し、一部を振り替えて決済専用口座とする方法で、口座の預金は全額保護されるが、無利子の上、一律数百円の口座管理料を徴収するとしていた。
ただ、システム改変に数億円の経費がかかり、約2700万ある普通預金口座保有者への連絡コストなど総経費では数十億円かかると、莫大(ばくだい)な費用も浮き彫りに。
規模が小さい地銀、信金・信組の一部に至っては、「時間もコスト面もそうだが、乗り遅れれば『あそこは、危ないのか』という風評被害にもさらされる。危険なかけに出るしかない」(地銀幹部)との悲鳴も漏れていた。