現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
クルンタイ銀行――累損の大幅圧縮を好感、民営化は微妙な情勢
タイの株価指数が軟調に推移するなか、同国商業銀行二位、クルンタイ銀行の株価が比較的堅調だ。先に発表した累積損失の解消を中心にした資本リストラ策を市場が好感しているためとみられる。
クルンタイ銀行は、タイ中央銀行傘下の金融機関発展基金(FIDF)が八七%、財務省が三%を握る国営銀行で、取引されている株式は一割だけ。近くFIDF所有分を市場に放出し、民営化を進めることになっている。
二〇〇二年上半期決算をみると、個人ローンなどが好調で、純利益が前年同期の七十億バーツの赤字から四十八億バーツの黒字に転換した。しかし、七百億バーツを超えるばく大な累損が民営化の足かせになっていた。
リストラ策では、株式の額面を十バーツから五・一五バーツに引き下げて登録資本金を千百二十億バーツから五百七十七億バーツに減らす。法定準備金も切り崩し、累損を一億二千五百万バーツまで圧縮する。
経済危機後に同行を支援したFIDFが所有するワラント(新株引受権)の買い戻しも柱の一つだ。六十六億バーツに上る資金は社債の発行で賄う予定だ。
資本リストラ策は財務の健全性を向上させ、株式放出の環境を整備するのが狙い。ただ、株式市況が軟調のため、民営化が予定通り推進できるのか微妙な情勢だ。
(バンコク=野沢康二)