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☆円、強気と弱気が逆転? 同時テロ1年、投機筋の売りにヒヤリ
NAA 9032 : 2002/09/12 木曜日 13:08
【NQN】12日の東京外国為替市場で、円相場は5日続落。国内投資家
などからの円買いも入ってはいるものの、外国銀行勢を中心にした円売
りに行く手を阻まれている。ブッシュ米大統領は11日、テレビ演説でテ
ロリストに対する強硬論を繰り返したが、ドル安への警戒感が強まる場
面はなかった。ドル買い・円売りに奇妙な「安心感」が広がっている。
市場参加者が肝を冷やしたのは日本時間11日22時ごろ。グラウンド・
ゼロ(世界貿易センター跡地)での追悼式典のさなかに大規模な円売り
・ドル買い注文が殺到した。ヘッジファンドなど海外投機筋が仕掛けた
とみられ、円相場はみるみるうちに1ドル=120円近辺から120円71銭ま
で急落。都市銀行の東京支店などに入っていた輸出企業からの円買い注
文も飲み込んだ。米商品先物取引委員会(CFTC)が公表したシカゴ
投機筋の円の買い持ち高は3日時点でなお6000枚強もあり「ユーロ圏な
どより景況感が悪い円が持ち高調整の標的になった」(都銀ディーラー
)とみられる。
海外勢が新たにリスクを取り始めた――。市場ではこんな見方もささ
やかれている。米国発の悪材料が山積する一方で、受け皿となる国や通
貨は依然として見当たらず、「ドル建て資産への投資を見直したほうが
むしろ得策」といった雰囲気が強まっている。「市場のリスク回避姿勢
」を表す指標を算出している大手米銀によると、12日は11日に比べ20%
以上も投資家心理が改善したという。円に強気の姿勢を崩さなかったト
レーダーの間でも「しばらくドルの回復を想定せざるを得ない」(BN
Pパリバ銀行東京支店)といった弱音が聞こえてくる。
ある米系証券の顧客担当者は「複数のファンドがまだ円売りを準備し
ている」と真顔で話す。ドルの下値不安が薄れれば、日本経済のファン
ダメンタルズ(経済の基礎的条件)の弱さが狙い打ちされやすいとの見
方が底流にある。債券市場では新発10年物国債の利回りが1%割れをう
かがう水準まで急低下しているが、外為市場では「資金運用難の状況は
承知しているが、海外勢の円売りや債券先物売りなどをきっかけに、は
しごを外されかねない」(欧州系銀行のディーラー)と懸念する声が出
ていた。(今 晶)
クイックより