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日本政策投資銀行は、日本と中国の製造業の国際競争力を比較したリポート「世界の工場・中国の躍進と実像」をまとめた。それによると、日本が価格、技術双方の競争力で中国に勝っている産業は、調査した15業種のうち、自動車とIT(情報技術)関連機器の2業種にとどまった。技術面の競争力で中国を上回るのは造船、鉄鋼、化学など13業種に上ったが、逆に価格競争力で中国より下回る業種は繊維や家電など10業種になった。日本産業の多くは、なお技術力で優位に立っているものの、安価な人件費を背景とした中国の価格競争力には大きく水をあけられた格好だ。
リポートは、日本企業など約100社からの聞き取り調査をもとにまとめた。
自動車については、中国企業は依然、日本や欧米メーカーからの技術導入なしでの開発は難しく、今後5―10年程度は日本のリードが保たれそうだとした。
反面、家電は「中国の主要家電メーカーは、国内市場向けの商品を開発できる技術力がついてきた」として、世界一と言われる価格競争力だけでなく、技術面でも日本メーカーに追いつきつつある現状を報告。日本メーカーは、コスト削減を進める一方、高い付加価値を備えた商品作りが一段と必要になってくると指摘した。
また、リポートは、日本企業が中国で事業を展開する際の注意点について、多くの日本企業が、中国企業との合弁事業を行う際に技術流出を懸念していることを挙げた。「技術性の高くないものは、すぐ精巧な模造品を作られる」「(中国政府が)合弁で技術を移転させる政策のため、技術を強制的に移転させられる懸念もある」――などの声があったという。
(8月24日22:32)