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経営再建中の分譲マンション大手、藤和不動産について、UFJ銀行や三井住友銀行など主力取引行が債権放棄など総額2300億円規模の金融支援を行うことで最終調整に入っていることが分かった。今回が2度目の金融支援。主力行の1つにドライな貸し剥(は)がしで次々と破綻(はたん)の引き金を引いてきた新生銀行=写真=が入っており、藤和不動産救済のスキームは新生銀という“爆弾材料”を抱え、事態は予断を許さない。
藤和不動産の有利子負債は3月末時点で5213億円。来年3月末でも、当初は3200億円まで減らす目標だったのが、実際は5000億円に高止まりする見通しで、経営を圧迫している。
バブル期のゴルフ場・リゾート開発に失敗し、藤和不動産は経営が悪化したため、平成11年、旧東海銀行(現UFJ銀)や筆頭株主のフジタなどから約2900億円の債権放棄を受けた。
14年3月期連結決算では、都心部のマンション分譲が好調で、売上高が前年同期比3.9%増の1843億円、経常利益が同85%増の130億円と過去最高。
本業は順調だが、有利子負債が売上高の3倍近くに達するうえ、賃貸ビルの含み損処理も課題となっており、今年2月にも2度目の金融支援計画が浮上していた。
追加金融支援の計画は、メーンバンクのUFJ銀が三井住友銀と住友信託銀、そして新生銀に呼びかけているもので、今後、詰めの交渉を行うことになるが、焦点となるのが、13年3月末時点で藤和不動産向け融資残高が約340億円とされる新生銀の動向だ。
これまで新生銀は、2割以上劣化した債権を国に買い取らせる「瑕疵(かし)担保条項」を使って、強引な債権回収を進めてきた。
「融資先企業に全額返済を求めて揺さぶりをかけ、メーンバンクに肩代わり返済をさせるというあこぎなやり口」(外資系投資会社)も指摘されている。
ライフやそごうのケースでは、新生銀は債権放棄に応じず、これが倒産の引き金となった。
昨年から今年にかけても、ファーストクレジットの会社更生法を勝手に申し立てて破綻させたほか、新生銀は融資先企業を次々と破綻に追い込み、瑕疵担保条項を使って、債権を預金保険機構に買い取らせてきた。
だが、来年2月末の瑕疵担保条項の特約期限が過ぎれば、こうした債権は紛れもない不良債権となってしまう。新生銀が大目標である再上場を果たす条件として、不良債権比率を低下させる必要もあるため、債権回収を一段と加速。ダイエー本体にも約500億円の返済を求めているのだ。
新生銀はハザマや熊谷組にも債権放棄を行っているが、いずれも旧日本長期信用銀行の譲渡を受ける際に国が税金で引当金を積んだ範囲にとどまり、つまり「1円も損をしていない」のだ。
このため、藤和不動産に対する債権放棄は引当金の範囲にとどまった場合、残りの債権については、他行が肩代わり返済でもしない限り、依然として火種が残る。
藤和不動産は「現在、新経営計画の検討を重ねているところで、公表できる段階にはない。新計画の内容については、詳細が固まり次第速やかに公表する」としているが、今後、新生銀がどう動くのか、注目される。