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九月危機のウラで「預金封鎖・新円切り替え」秘かに進行中〜株価九千円割れに窮余の策(週刊文春9/19号) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 9 月 11 日 14:09:48:

九月危機のウラで「預金封鎖・新円切り替え」秘かに進行中〜株価九千円割れに窮余の策(週刊文春9/19号)

株価九千円割れ、世界同時株安懸念が広がるが、大臣のメンツを保つためだけにペイオフ実質延期策でお茶を濁す金融庁をはじめ、政府の対応に危機感は全くないように見える。しかしその裏で小泉内閣は個人金融資産収奪のとんでもない準備を着々と進めているのだ。

A(経済部デスク) ついに株価が九千円を割り込んだね。バブル崩壊以後の最安値をあっさり更新。六日につけた日経平均株価八千九百六十九円は、なんと一九八三年八月以来、十九年ぶりの低水準だ。
B(経済ジャーナリスト) 四−六月期の実質国内総生産(GDP)は五・四半期ぶりにプラス成長に転じたけれど、市場では先行き不安感のほうが増している。株価急落の要因に挙げられるのは、まず東京電力、三井物産、日本ハム等の大企業の不祥事だろう。機関投資家は顧客への説明費任を負うため、不祥事を起こした銘柄は売却しなければならないから、下げ相場が加速した。
C(有力エコノミスト) 「プロですら理解できない」と悪評の新証券税制への移行も投資家の株離れを加速させているね。頼みの米国経済もエンロン、ワールドコムなどの相次ぐ会計不信で青息吐息だ。
B でも最大の株価の下げ要因は小泉政権だよね。これだけ市場が悲鳴を上げているのに、小泉首相は米国、北朝鮮、デンマークなど外遊ばかりで経済危機は我関せず。塩川財務相も「株価は上下動して当たり前。特段の対策は考えていない」と匙を投げた。
A この発言で市場の売りが加速したよね。ある銀行の幹部も「いくらなんでもあんまりだ」と憤慨していたよ。
C 株安問題はイコール銀行問題だからね。現在の株価水準のまま九月中間決算を迎えると、大手行の含み損は三月末に比べ、三・二倍の四兆七百三十七億円にも達する。
B 時価会計の導入で、銀行は含み損の六割相当を自己資本から差し引く決まりになっている。四大グループの自己資本比率は、健全性の目安である一〇パーセントをすでに割り込んでいるよ。
C 六日時点で、額面五十円換算でみずほ株は二百二十七円、UFl株は二百四十四円だけど、生保を代表格とする機関投資家は、株価二百円割れしているような、健全性に不安のある銘柄を自動的に売却する規則を持っている。後がないところまで来ている。

第二・第三の「みずほトラブル」か

B その生保だって大変。主要十社のうち、株価九千円を割り込んだ水準で含み益を確保できるのは最大手の日本生命のみだ。生保は中間決算を行なう必要はないから、含み損処理は来年三月まで先送りにすることができるけど、大手生保幹部も「三月までに株価が上がってくれることを祈るだけだ」とお手上げ状態。
C システミックリスクの最大の懸念は、生保と銀行の持ち合いの問題だからね。銀行は生保に対して基金と劣後ローン(債)を、生保は銀行に対して株式と劣後ローン(債)を互いに資金を拠出しあっている。もし万が一大手生保が破綻するような事態になれば、銀行は拠出している基金の全額が回収不能に陥るし、その逆もまたしかりだ。
A 結局、逆ザヤ問題が解消しない限り、生保危機は続く。当面の課題は、金融庁が最大手の日本生命に予定利率引き下げを飲ませることなんだけど、総務企画局と監督局との間で、どちらが説得するかを押し付けあって、話は前に進まない。
C 金融庁は当事者能力を欠いているからね。金融システム不安を受け、噴出したペイオフ全面解禁論議でもやっぱり迷走した。
B 発端は七月三十日、小泉首相が柳沢金融相に「決済システムの保護」を指示したこと。金融庁は普通預金を二つに分け、金利ゼロの「新型普通預金」を創設し、当座預金・別段預金と共に来年四月以降も全額保護とすることを打ち出したが、これが金融界にすこぶる評判が悪い。
C 顧客に説明をしたり、連絡文書を送付したり、判子をついてもらったり、銀行側の事務コストが膨大だからね。
それに新型預金に対応するためには、銀行システム自体の一新が必要。十分なテストもせずに導入すれば、第二、第三の「みずほトラブル」を引き起こしかねない。
B そもそもペイオフ全面解禁延期論は、今年四月の部分解禁前から大量の「預金シフト」が起こったことが原因だよね。第二地銀や信用組合から大手銀へ預金が大量に流出し始め、現在も預金シフトに歯止めがかからない。
A 預金が集まっているからといっても、都銀だって安泰じゃない。預金保険料率の逆ザヤ問題もあるけど、これまでは定期預金の残高の方が普通預金残高よりずっと多かったのに、今年三月には完全に残高が逆転している。
普通預金は解約が必要ないから資金の逃げ足は速い。まして今はコンビニATMやインターネットバンキングで二十四時間預金を下ろせる。信用不安に火がつくと、都銀だって唯では済まされない.
C それでも柳沢大臣は「来年四月、絶対にペイオフは解禁する」と断言し続けていたけれど、現在の枠組みでペイオフ解禁が不可能なことは、金融庁だってわかっていたんじゃないの?

舞台裏では苛烈な裁量行政が

A 実は今年三月に金融庁監督局幹部は「監督局としては、ペイオフ解禁は延期になればいいと思っている。自信がない」と本音を吐露していた。
七月八日頃、森昭治前金融庁長官と高木祥吉新長官が、相沢英之デフレ対策特命委員会委員長に退任、新任の挨拶をしに行ったんですが、相沢氏に「ペイオフ解禁を延期しろ」と言われると、森氏は「私も解禁は難しいと思います」と答え、高木氏は黙ったままだったんだって。小泉首相の指示を待つまでもなく、この時点でペイオフの全面解禁は事実上消えていたんだ。
B しかし「ペイオフ全面解禁」と言い続けてきた以上、何かを「解禁」しなければ、柳沢金融庁のメンツは丸潰れ。だから無理筋を承知で新型預金創設を打ち出したんだ。
でも私たち個人や中小企業はカードの引き落としや口座振替に普通預金口座を使っているわけだから「決済システムを保護する」のならば、現行の普通預金を全部保護しなきゃいけないのが実情だろう。だけど、それだと解禁するものがなくなっちゃう。
C 「新型預金」を作る銀行と、作らない銀行が出ると、作った銀行は自ら「当行は健全性に懸念があります」とシグナルを発したことになるから、金融庁としては一律に導入してもらわないと困る。だから「新型預金導入は『任意』」と表明しながらも、舞台裏では苛烈な裁量行政が働いていたそうじゃないか。
A 実際、八月二十二日に高木長官は寺西正司全銀協会長(UFJ銀頭取)を金融庁に呼び出し、新型預金導入を強く要求したからね。翌日までの二日間、他のメガバンクの代表や地銀協、信金協の代表者を金融庁に呼んだり、訪問したりして説得していた。
ある金融庁幹部は、「金融庁には許認可権があるんだから、絶対に銀行に新型預金を導入させてやる」と息巻いていたから、かなりの強要があったのは事実だろう。結局、金融界は折れてしまったんだから。
B 八月三十一日の産経新聞に金融庁は、三井住友銀が全金融機関で初めて新型預金導入を決定したとリークしたが、これも銀行界でカリスマ性のある西川善文頭取にまず手を挙げさせることで「右に倣え」の図式を作った。九八年十月、興銀の西村正雄頭取に公的資金注入要請の手を挙げさせ、横並び注入の道筋をつけたのと構図は一緒。
C 三日の高木長官を招いた都内のシンポジウムで、岸暁東京三菱銀行相談役が「新型預金なんて四月までに間に合うわけがない」と舌鋒鋭く批判し、高木長官は「金融機関とよく相談します」と応じていたけれど、あれだって所詮出来レース。日銀総裁の座を狙う岸氏が公然と金融庁長官に弓を引くわけがない。
ペイオフを延期する際に、「民間から『解禁を延ばしてくれ』と言われたから仕方なく延期した」という弁解出来るように、高木氏が岸氏にそう言わせたんだ。
B そういえば、高木長官は五日の金融審議会総会の前日に、それまで「新型預金」に最も批判的だった田中直毅二十一世紀政策研究所理事長を訪ねていたよ。

日本の負債総額は四至ハ十大兆円!

B 当日は思わぬ委員が新型預金案に反対し、蠍山昌一座長が「もうこれでいいですね。いいですね」と強引に会議を打ち切るなど論議は荒れに荒れたが、田中氏は結局一言も発しなかったなあ……。
A 柳沢大臣は「ペイオフ解禁は断行した」と、何とか発言の一貫性を持たせようと取り繕っているけど、秋からの臨時国会では批判の集中砲火を浴びることは必至だね。
C 柳沢は財界のみならず、永田町でも評判は悪い。柳沢批判の急先鋒、相沢委員長は「議員立法を出してでも、ペイオフは絶対に解禁させない。柳沢批判は俺がする。野党になど出る幕ほない!」と息巻いている(笑)。
A さすが「金融庁のムネオ」との異名を誇るだけのことはあるなあ(笑)。でも、九月末の内閣改造人事は柳沢はセーフといわれていたけど、本当に大丈夫なのかな?
B 柳沢氏の唯一の強みは、小泉首相を抱き込んでいること。七月三十日の首相談話でも、小泉首相は「ペイオフは構造改革の一環であり、予定通り解禁する」と言い切っている。もしペイオフを予定通り解禁できなかった責任を柳沢大臣に取らせるというのであれば、その刃はそのまま小泉首相に突きつけられる。
C 意外なポイントは小泉の訪朝だろう。小泉が拉致された人々を何人か連れて帰ることができたら、支持率は上昇、「新型預金」案で決着がつく。訪朝に何の成果もなければ、支持率はダウンし、抵抗勢力の勢いは強まり、議員立法でペイオフは凍結。
A 結局、柳沢にしろ、相沢にしろ、本質的なところには眼を向けていない。柳沢は風邪を引いている日本経済を来年四月以降、ムリヤリ退院させようとしている。相沢や抵杭勢力は、風邪なんだからずっと入院させておけと言う。結局、両者とも肝心の風邪をどう治療するかについては無策ということだ。
C でも、これから訪れるリスクは期末決算やペイオフ解禁、銀行と生保の持ち合いだけの問題じゃない。まず九八年三月に金融機能安定化法に基づき注入された永久劣後債(ローン)の買い戻し請求権が発生してくる。その規模は〇二年内だけでも一兆円超。今の銀行には買い戻せる体力はとてもない。
B 新生銀行も金融界をかき乱す台風の眼になりそうだ。額庇担保特約切れが来年二月末に迫っている以上、健全でない貸出先からの融資回収を強めてくることは必至。
もともとが長銀ということもあって、新生銀は「大手三十社問題」に代表されるような問題大口企業には、おしなべて融資をしている。新生銀がこれまで以上に性急な融資回収に走ったら……。
C 柳沢大臣がいくら「金融システムには不安がない」といっても市場はピクリとも反応せず、株は売られ、消費者のデフレマインドは止まらない。今年度の企業倒産件数も年間二万件ラインという戦後最悪のペースだ。
B 今、市場が求めているのは、危機を先送りすることではなく、日本の抱えた損失を公的資金を使ってもいいから何とか埋めてやることだ。そうしないと、補正予算などでいくら輸血したって、その場から流れ出ちゃう。
C 日本の負債総額を計算してみようか。民間企業の千二百五十八兆円の負債のうち三百三十四兆円、率に直すと二六・六パーセントは土地などの担保で保全されていない。預金取り扱い金融機関の民間総預金は〇二年三月末時点で千百五兆円なので、掛けると二百九十四兆円。これがバブル以降の民間部門が抱える負債になる。
特殊法人などの公的企業に移ると、三百九十三兆円の負債のうち、担保保全されていない百八十五億円を率にならすと四七・一パーセントだから、郵貯分の二百三十九兆円と簡保分の百二十六兆円の計三百六十五兆円に掛け合わせて百七十二兆円。これが公的部門の負債だ。
B つまり、日本がこれから埋めていかなければいけない「負債の穴」は稔額四百六十六兆円にもなるわけか。

「新型預金」創設の狙いは何か
                        A これをどうやって埋めるつもりなんだろうね。本年度三月末時点で国債の発行残高は四百四十八兆円。財務省試算では、二〇一五年度の残高は現在の二倍近い八百三十六兆円に膨れ上がるとされている。今後の膨大な国債大量発行時代を見据えると、公的マネーでの穴埋めは不可能だ。
C となると、その資金源は千四百兆円の個人金融資産に求めるしかないね。
A 他に方法がないからね。実際、国民が知らないうちに政府は個人金融資産を収奪するためのインフラ整備を着々と進めているよ。個人金融資産の捕捉も時間の問題だ。
B つまり個人金融資産を預金・株・債券に分類すると、株は来年一月からの新証券税制により申告分離方式に一本化され、確定申告が必要になる。債券はすでに登録制だし、ペイオフ解禁に向けて金融機関の名寄せが進んだため、個人預金だって捕捉できる。
関係各位の強い反対にも拘わらず、住民基本台帳ネットワークシステムの導入を強行したのも、金融資産把握の総背番号としてIDを用いたかったためだろう。
A それに重要な役割を果たすのが〇四年四月からの新札切り替えだ。政府は偽造防止を主な理由としているけれど、あまりに唐突な発表だったと思わないか。
C なるほど、その後に起こり得ることといえば、昨年十二月にアルゼンチン政府が出した「非常事際宣言」しかない。それとも一九四六年に幣原喜重郎内閣が行った「金融緊急措置」といったほうがいいかな。
B アルゼンチンの場合は、一般市民が銀行から一週間に引き出せる預金額を一名義あたり二百五十米ドル相当とする行政措置を断行。一部市民が「生活費がない」として、食料・衣料品店に押し入るなどの暴動を起こしたが。
A 日本だって同じだ。新円切り替えをした政府は「○月○日、預金を凍結します」と預金封鎖を発表。預金封鎖以後、政府は旧紙幣の使用禁止令を打ち出す。そして個人金融資産一律カットを発表。
仮に三割カットとすれば、新紙幣に交換してもらうため百万円の旧紙幣を銀行に持っていっても、新紙幣で七十万円しかもらえない。すでに捕捉されている株、債券、預金も自動的に三割カットされる。こうすれば、政府に移転する資金は約四百二十兆円になるから、「負債の穴」はほとんど埋まる計算になる。
B 旧紙幣が使用禁止ともなれば、タンス預金やアングラマネーも表に炙り出されてくるわけだし、一石二鳥どころじゃない。でもそんなことをしたら公共料金やカードの引き落としに障害が生じ、決済システムが大混乱に陥ってしまわないか?
A だからこそ、政府はすでにその対策も打とうとしているんだ。
B そうか、「新型預金」創設の狙いはここにあったんだ。
A その通り。新型預金は決済システム保全のために封鎖しない第一預金とし、普通預金と定期性預金を第二預金として封鎖し、一律カットすれば、決済システム不安は起こらないんだ。
C ただ、実際にそれを行うには強烈な政治力が必要だろう。問題大口企業の倒産などを「人身御供」として用い、社会にパニックを起こしてから、強引に預金封鎖に持ち込むくらいしかない。
B でも実際、問題業種の中には人身御供予備軍もすでに存在しているじゃないか。あえて会社名は出さないが。
A もちろん現状において、すぐに「預金封鎖」「新円切り替え」「個人金融資産一律カット」が行われるというわけではないのかもしれない。
ただし、そのためのインフラが着々と整備され、個人金融資産への包囲網は狭まりつつある、ということは認識しておくべきじゃないか。

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