★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
「利潤なき経済社会」はイメージされているようなたいそうな社会ではありません 投稿者 あっしら 日時 2002 年 9 月 10 日 19:53:38:

(回答先: Re: 「利潤なき経済社会」におけるストック・“報酬”・税 投稿者 まさちゃん 日時 2002 年 9 月 10 日 18:33:26)

まさちゃん、こんにちわ。
拙文をお読みいただきありがとうございます。


>「能力に応じて働き、必要に応じて取る」共産主義社会の理想の木霊が聞こえるのは
>私だけでしょうか?

そのように受け止められるのだろうなと私自身が思っております。

「能力に応じて働き、必要に応じて取る」という考え方は悪いものだとは思っていませんし、これまでの先進諸国は、財的条件としてはそのようなものに近いかたちを実現してきたとも思っています。

スローガン的な見方であれば、共産主義との違いは、国際主義ではないこと、平等主義ではないこと、家族重視であることくらいかも知れません。
端的に言えば、よくあるユートピア思想はだいたい同じようなものです。

共産主義は、ソ連や中国などで現実化されたとされ、それらを巡る評価で価値判断的なラベル(あまり良くない)が付いてしまっています。

共産主義をことさら忌避はしていませんから、共産主義との比較検討も大歓迎です。
このサイトにアクセスしているかどうかわかりませんが、共産主義者が私に論議を挑まないことを残念に思っています。


共産主義を標榜する政治勢力が、近代が末期に至った現在において、代わるべき新しい秩序形態としての共産主義を打ち出すこともできない惨状のほうが問題だと思っています。
(ソ連やある時期までの中国は、戦時社会主義的な「近代経済システム」の変形だと考えています。日本だけではありませんが、共産党が、現在という歴史状況で、景気回復や中小企業・勤労者保護といったレベルの政策しか打ち出させないのでは廃業したほうがましだと思われます)

私は、確信犯的な“差別主義者”で、諸個人が欲求・興味・価値観・思考内容・美意識などで異なっているからこそ、他者との関係が面白いと考えています。
(もともと、近代的平等とは、法の適用の平等だと思っていますが...)


>あっしら様が描いたような理想的な社会は、万人が聖人君子ならば実現できそうです
>が、“定常状態”がやってきたとしても、現実には不可能な気がします。

具体的な描写がないので「理想的な社会」と受け止められるかもしれませんが、「利潤なき経済社会」は、そんなたいそうな社会ではありません。

どちらかといえば、“現代版江戸社会”と言えるものです。

強制や警察権力もありますし、殺人やレイプもなくならないと思っています。
働きたくないと考える人や公的な活動負担からは逃げたいと思う人もいるでしょうし、何かを決めるにしても、そんなことを考える気もしない、好きに決めてくれという人も結構いると予測します。そして、それでいいのだと思っています。

歴史的に比較すれば、ほとんどの人々が生存維持基盤さえ失っているという異様な社会である「近代経済システム」が現実として成り立っているのですから、「利潤なき経済社会」は、もっとスムーズに成り立つはずです。

>人間の欲や競争心や優越感情は業のように思えます。新たな社会システムの下で通貨
>の退蔵性や利子取得を禁止したとしても、新たな方法で搾取が行われるような気がし
>ます。

人間の欲や競争心や優越感情は、悪いものではなく、活動力の基本的支えだと思っています。
その発現がどのような枠内で認められるかということで、よりましな社会になるのか、より酷い社会になるのかの違いが生じると考えています。

今という時点で言えば、利潤を得ることを国家が善として認めるか、それとも、利潤獲得を非として排除するかで、社会ががらりと変わります。

「人間の欲や競争心や優越感情」を利潤獲得に向けることができなくすることで、自然と人々の活動様式は変わります。(そのために、聖人君子的倫理観を求める必要はありません)

逆に言えば、国家が利潤獲得を許容したことで、善し悪しの判断は別として、近代的な活動様式が普遍化していったのです。(国家がそれを許容した背景は、ある層の利潤獲得欲求に応えたものであったり、そうなしなければ対抗上生き残れないと考えた結果など様々でしょう)


今必要なのは、理想社会を追求することでも、人々に高い倫理観を求めることでもありません。
必要なのはただ一つ、使われない利潤を抱え込むことを許し続ければ、国民経済はさらに疲弊し、国民生活は徐々に崩れていくという論理的な認識を持つことだけです。

その了解が多数派になれば、「利潤なき社会」で書いたような仕組みをつくらなければ対応できないという方向になると考えています。
(私が書いたこともあくまで参考ですから、他にもっといろいろな対応策があると思っています)

聖人君子性を求めなくとも、自分のものとして蓄積できない利潤を追い求めるという酔狂な人は夢追い人以外いないのですから、経済活動の様式は否応なく変わります。


「新たな方法で搾取が行われる」ことも否定しません。うまく他の人をたぶらかして、その活動力の成果を自分のものにすることも可能ですから...。
騙し騙されることも、限度があるのなら、生きていくなかで時として降りかかるスパイスとして許容されてもいいんじゃないでしょうか。


 次へ  前へ



フォローアップ:



 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。