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「“郵貯版当座預金”ともいわれる郵便振替口座の残高の伸びが、7月に入って急速に鈍化しつつあるようだ。今後の推移も見た上で判断すべきだろうが、今年4月1日からスタートしたペイオフ部分解禁によって発生した預金者の混乱も、ここへ来てようやく収まってきたと見るべきではないだろうか」
大手都銀経営中枢幹部がこう言ってみせる。
このコメントにもあるように、郵便貯金の一形態である郵便振替口座とは、民間金融機関の当座預金に相当するもので、利息が付かない決済専用口座という位置づけだ。ただし他の郵便貯金と異なり、預入に関して限度額は設定されていない(他の郵便貯金は1000万円が預入限度額)。
「このため郵便振替口座に関して言えば、事実上無制限に預け入れることができ、その預入金は国によって実質的に全額が保護されることになるのです。まさにペイオフ制度の“盲点”とも言うべき仕組みなのです」(大手都銀経営中枢幹部)
このため郵便振替口座は、テレビやマネー雑誌などによって、ペイオフ対策の“裏技”としてこれまでたびたび取り上げられてきたのである。
「利息は付かないが100%安全、という郵便振替口座の特性は、まさに口コミで家庭の主婦層にまで広がったのです」(大手都銀経営中枢幹部)
このため、4月のペイオフ部分解禁を境に、郵便振替口座の残高はまさに爆発的な伸びを示すようになる。以下で、その推移の一端を紹介してみることにしよう(単位・億円)。
02年3月末…18300、同年4月末…25100、同年5月末…26400、同年6月末…28100
郵便振替口座の残高は、わずか4カ月間で、約1兆円もの伸びを示したのである。
ところが7月に入ってその“伸び”は急速に鈍化する。
結局、7月末の残高は、2兆8700億円にとどまってしまったのである。
「こうした傾向が続くようであれば、金融庁が来年4月1日から導入を検討している『新型預金』の論議にも大きく影響を与えそうだ」(大手都銀役員)
この「新型預金」の特徴をひとことで言ってしまえば、“無利息の決済専門口座”ということになり、その預入金については1000万円を超えてもその金額が保護されることになる。
「多分に、郵便振替口座を意識した仕組みだと言っていいでしょう。しかしこの『新型預金』を利用するためには、口座管理手数料などの何がしかの“手数料”が徴収される方向で検討されているのです。そこが郵便振替口座との大きな違いです」(大手都銀役員)
とはいえ、この「新型預金」の導入に関しては、当の金融業界はこぞって冷淡な反応に終始しているのが実情だ。
「その導入にあたっては、システム開発などで金融機関サイドにかなりの負担がかかってくることは必至。しかも来年4月1日という導入期限で、時間的にシステム開発が間に合うかどうか疑問だ。それより何より、どれだけ預入者ニーズがあるのか不明。導入しました、しかし利用されませんでしたということになる可能性は高い」(大手都銀経営中枢幹部)
前述した郵便振替口座の残高推移を見る限り、顧客にニーズはそれほど感じられないのだが、金融庁はこれをどのように受けとめるのだろうか。