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“9月金融危機”がくすぶる中、4大銀行グループは経営健全化に必死だ。みずほフィナンシャルグループと三井住友銀行が、「クレジット(信用)デリバティブ」という聞きなれない取引を始めるという。融資先企業が倒産した際の損失リスクを投資家に引き受けてもらい、その代償として投資家には金利を支払う仕組み。融資先が倒産しなければ、おいしい金利を受け取り続けることができるが、倒産すれば、損失をかぶらなければならない。ハイリスク・ハイリターンの“ギャンブル”だ。リスクにうとい日本で、果たして定着するのか…。
朝日新聞の報道によると、9月中にも、みずほは1兆3000億円分、三井住友は5000億円分の信用デリバティブ取引を開始する方向で検討しているという。
同取引は欧米では広く普及している金融所品で、企業の倒産リスクを賭けの対象としたもの。商品を購入する投資家は企業が倒産した際の損失リスクを負う代わりに、リスクに応じた金利を受け取ることができる。当然、“危ない企業”ほど金利は高くなるわけだ。
一企業を対象としたものよりも、複数の企業をパッケージにし証券化した商品として売り出されるケースが多い。
売り出す銀行側にとっては、損失リスクのなくなった債権は、自己資本比率の分母であるリスク・アセット(総資産)から除外できるため、同比率が高まり、経営の健全化につながるというメリットがある。
購入対象は外資系金融機関のほか、国内の保険会社や地域金融機関などの機関投資家となるが、超低金利で資金の運用先に困っている投資家サイドにも魅力はある。
もちろん、問題もある。米国では粉飾決算が発覚し破綻したエネルギー大手のエンロンや長距離通信大手のワールドコムが組み込まれていた信用デリバティブ商品が発売されており、投資家に巨額損失が発生し、大問題となっているのだ。日本のゲーム大手、ハドソンもエンロンが組み込まれた商品を購入しており、訴訟沙汰となっている。
「対象が財務内容などをよく知らない海外の企業である商品が多いほか、パッケージ商品の場合、組み込まれている企業がまったくわからない商品もある。ギャンブルだからリスクは当然だが、思わぬ大ケガになりかねい」(外資系証券)
また、外資系金融機関にうまい汁を吸われるだけとの懸念もある。証券化や金利設定のノウハウを持っているのは外資系で、まず莫大な手数料収入が期待できる。さらに、購入する投資家も外資系が中心とみられ、投資家有利の金利設定で、暴利を得ることも可能なのだ。
賭場を開帳しなければならないほど、4大銀も必死ということか。