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日本政策投資銀行がまとめたリポート「邦銀の投融資動向と経済への影響」で、企業の破綻(はたん)が近付くにつれ主取引銀行(メーンバンク)の融資比率が高まり「片寄せ」されている実態がわかった。
対象となったのは、90年代に法的整理または債務免除など金融支援を受けた上場企業(金融を除く)のうち、法的整理などの前年度から前5年間の融資残高が把握できた69社。年度ごとに分け、法的整理までのメーンバンクの融資残高の推移を調べた。
その結果、95、96年度に金融支援・倒産した5社を除いてメーンバンクの融資シェアが徐々に高まっていた。メーン以外の銀行が、対象企業の経営に不安を感じ融資を引き揚げたりメーンに肩代わりしてもらったりした結果とみられる。こうした「片寄せ」の結果、負担が特定銀行に集中し、その銀行は問題企業の管理に過度の経営資源を投入せざるを得なかった。
90年代後半、銀行は不良債権処理や保有株式価格の下落で経営リスクが高まり融資に慎重になった。この結果、本来資金を必要としている成長産業への資金供給が十分に行われず、経済成長が鈍化した一因とされている。調査にあたった日本政策投資銀行調査部はメーンバンクに過度の負担が集中したことも「結果として融資を硬直化させ、新たな貸出先への資金の流れを鈍らせた原因だ」と分析している。
(02:58)