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石油輸出国機構(OPEC)の加盟産油国が、自分たちで決めた原油生産枠を大きく上回る生産を始め、1月から続ける減産態勢を実質的に「反古(ほご)」にしていることが明らかになった。この2年余りにわたって的確な増減産で安定的な原油価格を維持してきたOPECだが、組織のタガが緩んで価格影響力が弱まることも予想される。
日米欧の石油消費国で作る国際エネルギー機関(IEA)の9日の発表によると、イラクを除くOPEC加盟10カ国の7月の原油生産実績は日量2320万バレルに達し、生産枠を150万バレル超過してちょうど減産前の水準になった。非加盟のロシアなどが7月から協調減産を打ち切ったのに伴い、シェア低下を恐れる加盟各国も独自に生産水準を元に戻したとみられる。
OPECの生産枠超過にもかかわらず、原油の国際市況は1バレル=25ドル前後で高止まり状態にある。米国の対イラク攻撃が現実味を帯びる中、消費国が石油備蓄を積み増していることが油価を下支えしている。しかし、OPECの組織としての結束力が緩んだことで、「今後は市況が不安定さを増す」とロンドンの市場関係者はみる。
OPECの盟主であるサウジアラビアや事務局は表向き、「価格安定を優先する」との姿勢を維持している。しかし、生産余力が拡大しているアルジェリアやナイジェリアは増産を認めるよう声を上げている。9月19日に大阪で開かれるOPEC総会では、生産枠をどう調整し、結束力を再び強めることができるかが焦点になる。
(20:45)