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景気の回復によりやっと明るい兆しの見え出した日本株式市場ですが、それでも日経平均は半年以上も横ばい状態。なかなか上昇相場に向かわないその訳とは?
景気回復の兆しが明確になってきている現状でも日本株式は日経平均で12,000円と9,000円のレンジを行ったり来たり。横ばいの状態が半年以上も続いています。同じ時期に大幅な下落を記録している欧米株式市場に比べると相対的には悪いパフォーマンスではないのですが、日本株で運用している投資家にとって見ると歯がゆい状況が続いています。
確かに景気の回復という好材料から9,000円台での底値は徐々に固くはなりつつあります。特にワールドコム破綻や景気後退の懸念と連鎖して欧米株式が大幅な下げを演じている中で底値を割っていないのは特筆すべきでしょう。10,000円を割り込んだところでは割安感からの買いが着実に入るのは心強い限りです。過去の例を取ってみると、景気の回復局面では株式相場は一般的に上昇しており、特に景気回復の初期にその傾向が強く見られます。株式相場を左右する要因別に現況を判断すると下記のようになります。
−企業業績−
プラス:景気の回復やリストラ効果により業績は回復傾向にある。特に昨年の数字と比較すると業績の回復度合いが顕著である。また今後の業績予想を取ってみると、現在の株価水準は適正かやや割安にあると言える。
マイナス:多少は戻したものの円高の影響や、株安による米国の景気失速に対する懸念が依然顕著。
−需給−
プラス:一時的に売り越した週もあるが、日本株をアンダーウエイトしていた海外投資家の買い戻し傾向は終わっていない。
マイナス:国内投資家による持合い解消の売りが継続している。
−金利−
プラス:ゼロ金利の継続により資金は潤沢に供給されている。また当面ゼロ金利政策が継続されると見られている。更にアメリカでの利下げ期待も出てきた。
マイナス:内外投資家による金利先高観は強い。ただ日本国債の格下げに関しては今回のムーディーズの格下げで一段落したように見受けられる。
−政策−
プラス・マイナス:小泉内閣に対する、政治改革・構造改革への期待感は完全に後退しており、これ以上悪材料とはならない???また夏の間は政局に大きな展開はなさそうである。
以上のように、どの切り口を取ってみてもプラスとマイナスがそれぞれ均衡しており、現在の株価の動きはこれらの要因が均衡している現状を適正に反映していると言っても過言ではないでしょう。
今後は急速に進んだ円高の企業業績に対する影響や、欧米、特に米国の株式市場の動き、また米国のイラクに対する攻撃の有無等、先行き懸念材料には事欠きません。当面はレンジ相場の域を抜けるのは難しい様に見受けられます。
外資系投信会社 チーフインベストメントオフィサー
提供:株式会社FP総研