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再建中のダイエーに対する強引な融資回収で注目の新生銀行。6月末現在の不良債権残高(金融再生法基準)は、9576億円と、3月末に比べて14%の大幅減となったことが分かった。融資先からの無理難題の貸し剥(は)がしや債権の売り飛ばしなどで成果を上げており、米国流のドライな経営ぶりが改めて実証された。
今年度から四半期決算を公表することになった大手行の4−6月期決算では、もっとも不良債権の圧縮を進めたみずほグループでさえ、減少幅は3%強。三井住友銀はわずか0.19%減にとどまるなか、新生銀の14%は突出している。
わずか3カ月で1560億円も不良債権を減らしているのだから、いかに容赦なく、強引に融資の取り立てや債権の売却を激しく進めているかは想像に難くない。
これだけ債権回収を急ぐのは、簿価より2割以上目減り(劣化)した債権を国が買い取る「瑕疵(かし)担保条項」の特約期限が来年2月末で切れるためだ。これまでに新生銀が国に買い取らせた債権は6000億円前後とみられ、最終的には国民の血税で負担しているのはいうまでもない。
そして最大の目的となっているのが、新生銀が今年度中に貸出残高全体に占める不良債権の比率を3月末の20%から5%程度に引き下げ、財務の健全性を高めて、再上場することだ。
わずか10億円で旧日本長期信用銀行を国から買い取り、再上場できれば一挙に1兆円以上もの大金が懐に入る。
ドライ商法ゆえに、新生銀は平成14年3月期決算でも、612億円の黒字を計上。英米系格付け会社フィッチは、新生銀の長期債務格付けを「トリプルBマイナス」から「トリプルB」に1段階引き上げている。
強引な貸出金利の引き上げにみられるように、収益力改善にもがき苦しむ邦銀を横目に、着実に利益を上げ、不良債権を減らし続ける新生銀の経営手法は、ある面では評価されるべきである。
だが、新生銀の強引な貸し剥がしがマイカルなど企業倒産の引き金となるなど、日本経済を混乱させているのも紛れもない事実である。
ダイエーに対しても、年内に融資額の7割にあたる約500億円の返済を迫るなど、来年2月末まで貸し剥がしを加速させるとみられる。
リストラやボーナスカットと“泣きっ面にハチ”のサラリーマンには、何とも、ドライ商法にはやりきれなさが残る。