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どっちつかずの優柔不断な小泉純一郎首相に景気回復は無理?! 政府は7日の閣議で、48兆1000億円とする平成15年度予算の概算要求基準(シーリング)を了承したが、その内容は、景気への配慮を示しながらも、構造改革断行による財政再建にも未練を残すという中途半端なものとなった。小泉首相は“二兎を追う者、一兎も得ず”のことわざをご存じないのか。
「公共事業の削減幅を3%減に抑制したといっても、景気にプラスに働くことはない。支出削減がデフレ圧力となり、足を引っ張ることになる。厳しい雇用、所得環境を背景に個人消費の低迷は続くし、設備投資の回復も、企業はリストラ優先で期待できない」
「輸出も米国経済の先行き不透明で減速している。GDP(国内総生産)のあらゆる項目がこの状態で、景気が底割れしない方がおかしい」
民間シンクタンクのエコノミストは、こう警告する。
来年度予算の概算要求基準で最大の焦点となったのは公共事業。昨年は小泉首相が「構造改革なくして景気回復なし」と連呼し、今年度の当初予算では10%削減されたが、今年は削減幅は3%に抑制された。
最近の小泉首相は、「1兆円減税」をぶち上げたり、来春のペイオフの全面解禁の見送りを支持するなど、「改革一辺倒」から「景気配慮」に豹変(ひょうへん)したかのようだ。
だが、政府関係者の間からは「支持率低下や自民党族議員による突き上げということもあるが、いずれも財務省の言いなり。そのさじ加減次第というのが実情。公共事業の3%減は、財務省が描いた青写真通りの結果。ペイオフ全面解禁もウラで絵を描いたのは財務省」(永田町筋)との声が聞こえてくる。
1兆円の減税にしても、小泉首相とその直轄の経済財政諮問会議は当初、歳出削減分を減税財源とする方針を打ち出していたが、「それでは財政再建につながらない」と危惧(きぐ)した財務省によって即座につぶされてしまい、結局、減税は将来の増税とセットで行うことになってしまった。
「財務省は、戦後の税制の基礎となったシャウプ税制以来の大改革をやると息巻いているが、ようは増減税同額が基本。先行して1兆円の減税が行われても、将来同額の増税が行われるのがわかっている。これでは家計の財布のヒモが緩むはずもなく、個人消費など景気浮揚効果は期待できない」(民間エコノミスト)というのが現状だ。
さらに、株式市場関係者が最も懸念するのが、財務省のいいなりの小泉首相が再び改革路線を突っ走り始めることだ。
準大手証券アナリストは、こう警告する。
「首相にとって『構造改革』は一枚看板で、絶対に降ろせない。財政再建こそが悲願の財務省とは共通する部分が多い。政府は依然、『景気は一部で回復の動きがみられる』と主張している」
「これは財政支出がこれ以上膨らまないようにする伏線で、今後の予算編成の段階で、どんどん緊縮型になる可能性もある。そうなれば景気は確実に底割れする」