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【ワシントン布施広】
米国防総省の諮問機関である国防政策委員会が今年7月、サウジアラビアを「米国の敵」とみなすかどうかの討議を行っていたことが6日、明らかになった。ラムズフェルド国防長官は同日、サウジには「様々な側面」があると述べたが、歯切れの悪い擁護にとどまった。米国がイラク攻撃を検討する中、米軍の拠点であるサウジとの隠れた確執が表面化した格好だ。
サウジはペルシャ湾岸における米軍の拠点であり、91年の湾岸戦争時も米軍・多国籍軍の一大駐留地となった。一方でサウジは、昨年9月の同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏の出身地であり、テロの実行犯19人のうち15人がサウジ国籍だったとされる。
6日付ワシントン・ポスト紙によると、7月10日に開かれた同委員会では、国防総省系のシンクタンク「ランド研究所」の研究員が、サウジはテロに関係する「あらゆるレベルで活発に動いている」と指摘。同国を「悪の核心であり、最も危険な敵」と位置付けた。
同委はパール元国防次官補が議長役を務め、クエール元副大統領、ギングリッチ元下院議長らが名前を連ねている。この報告に真正面から異議を唱えたのは、キッシンジャー元国務長官だけだったという。
この報道についてラムズフェルド長官は「サウジに対して、我々はある点では同意し、ある点では同意していない。他の国に対しても同じだ。(サウジは)多数の米兵の駐留地である一方、同時テロに関与した多くの者がサウジ人だったのも確かだ」と述べて、全面的なサウジ擁護論は展開しなかった。
これに先立って国防総省は「サウジは米国の長年の友好国」とする声明を発表、サウジは「テロとの戦争」に十分協力していると強調した。しかし、サウジはアフガニスタンの旧タリバン政権の数少ない承認国だったほか、アフガン攻撃に関して米軍への基地貸与を渋った経緯もあり、米・サウジ関係は良好とは言えないのが実情だ。