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◇英景気に不透明感――6月の製造業生産、23年ぶりの落ち込み幅
NAA 8188 : 2002/08/07 水曜日 12:06
【ロンドン=佐藤大和】欧州各国の中で堅調を維持してきた英国経済
に黄信号がともっている。6月の製造業生産指数(季節調整済み、1995
年平均=100)が前月比5.3%低下し、23年ぶりの落ち込み幅を示した。
消費ブームも終息の兆しを見せており、中銀イングランド銀行による利
下げ観測も浮上してきた。
6月の生産急落は、女王即位50周年記念の祝日や、サッカーワールド
カップ(W杯)のイングランド戦が平日午前に3試合組まれて工場の稼
働率が落ちたという特殊要因もある。ただ市場予想を大きく上回る低迷
ぶりに、英株式相場は今週初め、大幅に値を下げた。
英景気の動向は独仏よりも米国に似ている。英政府・中銀は、好調な
個人消費が下支えしている間に、国際競争力に乏しい製造業の生産や設
備投資の回復を待つシナリオを描いていた。しかし6月の小売販売動向
指数は前月比0.7%の下落。2カ月連続の低下で消費は息切れ気味だ。
7月まで英中銀には利上げを主張する意見があったが、市場では「米
国と同じく、むしろ利下げに踏み切る公算の方が大きい」(ドイツ銀行
のアナリスト、バックリー氏)との見方が広がっている。金利先物も年
末に向けて0.25%分の利下げを織り込む水準に低下してきた。