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☆円、日本経済の変調をかぎ取る?――米の経済減速の影響は大
NAA 7228 : 2002/08/06 火曜日 16:07
【NQN】6日の外国為替市場では円相場が続落した。午前中は1ドル
=119円台で一進一退の展開が続いていたが、午後に入って下げ幅を広
げ、120円19銭まで下落する場面もあった。株価下落で損失を被った米
国勢を中心にリパトリエーション(自国通貨への資金回帰)の動きがあ
るうえ、株式市場で日経平均株価が大幅下落してバブル経済崩壊後の安
値に接近したことが円売り・ドル買いを誘った。
米国ではナスダック総合指数が1997年4月以来の安値に沈むなど株価
下落が続いている。株安を受けて各種の景気指標も悪化に向かっている
が、これを材料に米株が下げても「ドル売り」に動く場面はほとんどみ
られない。むしろ市場では、米経済減速は米国内にとどまらず、世界経
済に悪影響を及ぼすのではとの懸念が広がっている。中でも日本につい
ては「輸出の伸びが内需に波及して景気が回復に向かうというシナリオ
の前提条件が崩れる」(クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券
東京支店の小笠原悟ストラテジスト)と、日本経済の先行きに暗雲が広
がっていることへ警戒感が強まっている。
景気の先行きを占う意味で外為市場関係者が関心を寄せるのは株価の
動向。6日の株式市場では米国株安の影響でハイテク株を中心に売りが
膨らんで、日経平均は2%超下落。2月6日に付けたバブル経済崩壊後
の安値(9420円85銭)はすぐそこに迫っている。「9月中間決算期末が
近づくなかで株価の下落が続けば、企業との株式の持ち合いを解消でき
ていない金融機関の含み損が拡大し、経営基盤が揺らぐ恐れもある」(
欧州系銀行)と、海外勢を中心に日本の金融システム不安が再燃するの
ではとの懸念が円売り・ドル買いを促した。
「お盆休みを控えて輸出企業の為替予約(先物の円買い・ドル売り)
意欲が強い」(UFJ銀行市場営業部)ため、きょうの円相場は株安を
材料にした円売り注文をひとまず吸収している。とはいえ、今後は世界
経済の減速を受けて、景気のけん引役だった輸出が鈍化し、設備投資に
も悪影響が出てくることが予想される。お盆休み前の特殊要因である為
替予約が引っ込めば、スルスルと円安が進むことも否定できない。(渡
辺晃)