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自民党最高実力者の一人、野中広務元幹事長(76)が「近く政界から引退する」とのウワサが永田町を駆け巡っている。本人は全面否定でウワサは雲散霧消の模様だが、この時期、「抵抗勢力のドン」を狙い撃ちした仰天情報の裏事情とは−。
今夏、永田町でささやかれる野中氏の引退説には、二説あるという。
最初の説は先月31日の国会閉会後に引退表明を行い、直ちに議員辞職するというものだったが、これは単なるデマゴーグと確認された。
もう一説は、10月にも開催される秋の臨時国会を前に、「次の選挙には出馬しない」と表明するというものだ。
ある与党幹部の一人はこう解説する。
「7月上旬に地元・京都で行った会合の席上、野中氏が『もう政治家として十分やった』『私には娘ムコがおり、これからは彼らの時代だ』などと漏らしたとの情報が根拠となったようだ。7月下旬には、一部のマスコミが『野中引退』と報じたことで、一気にウワサが広まったようだ」
ウワサに対し、当の野中氏は講演の中で「『野中は31日の会期末で引退する』と書かれるなど、あちこちでシタタカな攻撃がある」などと怒りを大爆発させた。
継続審議となった有事法制関連法案に対し、自分がいち早く慎重論を唱えていたことをアピールしたうえで、戦争体験者としての主張を続ける考えをこう強調して、引退説を全面否定した。
「この国がひょっとしたら重大な過ちを犯すかもしれない時、有事法制は自衛隊の活動のためだけにあるのではない」
野中氏周辺の一人も「娘ムコの話は昨年秋口から出ている話で、なぜ今なのか。本人からは『(辞めるにしても)自分は後継指名のようなことはしない』と聞いたことがあり、非常に不可解」と憤懣(ふんまん)やるかたない様子で語る。
この10年間、「政界のキーマン」として活躍、最近では小泉純一郎首相を「独裁者」とまで厳しく批判する野中氏が引退を表明すれば、自民党内の反主流派にとっては図りしれないダメージが出るのは必至である。
「大将的な存在だけに、引退説が出ること自体、気勢をそがれる」(抵抗勢力中堅)との声すら出てくる状況なのだ。
気になるのが両説が唱える引退の時期だ。いずれも9月末とされる内閣改造・党役員人事を巡り、小泉vs抵抗勢力の暗闘が予測される7月末〜10月を見事に“狙い撃ち”している。
橋本派有力筋は、その狙いをこう話す。
「引退説は、内閣改造・党人事の時期に野中氏の求心力をそぎ、動きを封印するために意図的に流された謀略情報に間違いない。最近の野中氏は、本気で首相に憤りを感じているからね」
確かに同じ抵抗勢力でも、小泉首相に対するスタンスは微妙に違う。
例えば、メキメキと力をつける古賀誠前幹事長は、こういわれる。
「首相と激しく対峙(たいじ)しても、今、小泉が潰れたら、自民党も潰れるという危機感から、首相は支えるという立場だ」(自民党筋)
これに対し、野中氏は、かなりドラスティクに評される。
「石原新党を画策する亀井静香元政調会長ほどの『倒閣』ではないにしろ、小泉が首相ではダメとの思いは強い。郵政改革法案の修正問題では、首相サイドからの会談要請を拒否した。橋本派事務総長も辞任し、身軽な立場に戻って小泉批判の舌鋒を強めており、厄介な存在になった」(与党幹部)
このため、首相サイドは、抵抗勢力内の新旧実力者の野中、古賀両氏の分断作戦を画策しているといわれる。
「首相は6月末に沖縄からの帰京する際、同じ飛行機に乗り合わせた古賀氏に党役員か閣僚での処遇を打診、懐柔に動いている」(堀内派中堅)との情報もある。
首相後見人を自負する森喜朗前首相が7月上旬、党副総裁起用説をブチ上げたが、「橋本派内で野中氏と険悪な関係にある村岡兼造元官房長官を念頭にしたて発言だ。要するに、野中氏の影響力を少しでも排除するための作戦だった」(政界事情通)というのだ。
側近の鈴木宗男議員逮捕で橋本派内の求心力が低下し、与党のフィクサー役も同じ橋本派の青木幹雄参院幹事長や古賀氏らに奪われ、野中氏が政治的に追い詰められているのは事実である。
そんな折、野中氏は「小泉氏の入閣要請を『私は外で協力する』と断った」とされる古賀氏を誘い、9月にもフィリピンのレイテ島を訪問する計画を立てている。
レイテ島は古賀氏の父親が第2次世界大戦で戦死した地である。
「二人の訪問は昨春の総裁選直後にも出た話。野中氏もやっと総裁選ショックの脳震とう状態が解け、反撃の秘策を練る考えでは」(永田町関係者)との観測も流れてくるが、果たして…。