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東京三菱銀行と三井住友銀行が、今年9月にも共同で企業再生ファンドを設立する方針であることが6日、分かった。大手銀行などは政府から今後2、3年で不良債権処理にめどをつけることを求められており、両行はファンド設立により簿価で5000億円程度の不良債権を処理する。メガバンク同士の系列を超えた再生ファンド設立は初めてで、二強のタッグで銀行再生を目指す。
両行は「不良債権処理については種々の案を検討をしており、企業再建ファンドもその一つ」と話している。
ファンドの名称は「日本リバイバル・ファンド(仮称)」で、東京三菱銀、三井住友銀のほか地銀三十数行が総額500億円の資金を拠出。簿価にして5000億円程度の不良債権を買い取る計画という。
ファンドを運営するのは、両行の提携企業2社が共同出資するサービサー(債権回収会社)で、企業再編や事業売却のほか、債権の回収も行う予定。
東京三菱、三井住友両行はファンドに拠出するものの、サービサーとの間には資本関係がないことから、債権は連結対象から外れ、不良債権は最終処理されたことになるという。企業側にとっては生き残るチャンスが生まれる。
大手行は、2、3年以内での不良債権の最終処理を迫られているが、株価の下落などで体力を消耗させ、思うように進んでいないのが実情だ。
また、不良債権処理の手法もこれまで、民事再生法など法的整理に踏み切って企業を倒産させるか、反対に追加的金融支援を行って生き延びさせるというやり方も取られてきた。
法的整理に踏みきれば貸し倒れ引当金を積んであるとはいえ、債権の90%以上をドブに捨てることになる。延命措置を取れば、さらなる引当金や借金棒引きが必要になるなど、どちらをとっても金融機関側は大きな負担を強いられてきた。
一方、リップルウッドやサーベラスといった外資系ファンドに不良債権を売却する手法もあるが、安く買いたたかれてしまう。
また、政府が推進していた整理回収機構(RCC)への売却も、国民の負担を出さないため、売却価格が抑えられてしまうなどの理由で進んでいなかった。
大手行ではこれまで、あさひ銀行がゴールドマン・サックスと不良債権処理業務で提携。
東京三菱も当初、親密な地銀を含めたグループ内のファンドを検討していたが、融資先企業の幅広い再編や債権者の利害調整の点でも、銀行主体で、なおかつ系列を超えた連携が必要と判断、ライバルの三井住友銀と手を組むことを選んだ。
新ファンドは、RCCとも提携し、再生・回収いずれも困難な債権をRCCに売却する一方、RCCから再建可能な債権を買い取るという手法も検討しているという。
もっとも、両行の不良債権残高は、今年3月現在で10兆円を上回っており、ファンドが不良債権の買い取りを想定している5000億円はわずか5%に過ぎず、不良債権問題を根本的に解決できる規模ではない。
また、ファンドの活用で不良債権を最終処理できると判断しているものの、不良債権がファンドに塩漬け状態になれば、事実上の「飛ばし」との批判も受けかねない。ファンドに売却された企業の再建が、どのような形に進めることができるかが課題となる。
メガバンクの二強が先行するなか、取り残された感のあるみずほグループとUFJグループの動向が注目される。