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「持ち株会社の設立を一つの足がかりにする形で、消費者金融ビジネスの徹底的な強化を図っていく。そもそもこの分野は、本来なら既にもっと収益が上がっていたとしても何ら不思議ではなかったと考えている。しかし現状では必ずしも満足のいく結果が得られていないのが実情だ。今回当行が持ち株会社化へ移行する最大の目的は、消費者金融ビジネスの強化にある、と言っていいだろう」
三井住友銀行経営中枢幹部がこう言ってみせる。
一昨日(7月30日)三井住友銀行は、三井住友銀行と三井住友カード(VISAカード)など系列の金融関連3社を傘下に置く持ち株会社を12月上旬をメドに設立することを正式に発表した。
設立される予定になっている持ち株会社の名称は「三井住友フィナンシャルグループ」で、同社親会社とする形で、三井住友銀行、三井住友カード、三井住友銀リース、日本総合研究所の各社が子会社として直接、ぶら下がることになる。
「三井住友FG以外の大手金融グループでは、商業銀行を中核としつつ信託銀行や証券会社をも主力構成メンバーとする形をとっています。そうした点で、三井住友FGのケースは、特殊なパターンをとっていると言えるでしょう」(大手都銀幹部)
それでは、こうした“特殊なパターン”をとる最大の狙いはどこにあるのだろうか。
「現時点で、三井住友銀行グループは、3つの消費者金融を扱う会社を抱えています。その3社とは、三井住友銀行本体、三井住友カード、そして消費者金融専門会社のアットローンです。そして驚くべきことに、この3社合計で、約1兆円の消費者ローン残高があるのです−−」(前述の三井住友銀行経営中枢幹部)
現在、消費者金融専業大手各社の融資残高は、以下に示すような状況になっている。(平成14年3月末)
武富士…1兆7666億円、アコム…1兆6168億円、プロミス…1兆3246億円、アイフル…1兆3136億円、三洋信販…3309億円。
「つまり残高ベースだけで見る限り、消費者金融専業大手4社に迫る規模に達しているのです。ところが、そこから上がってくる利益は、大手4社の足元にも及ではないのが実情です。そこで、持ち株会社へ移行することで、権限委譲を進め三井住友銀行からの独立性を高める一方、グループ各社の社長には成果責任を問うていく方針を打ち出したのです。つまり、独自性を認める代わりに収益をあげなさい、ということです」(前出の三井住友銀行経営中枢幹部)
そして三井住友FGは、消費者金融セクションから上がる収益(当期利益)を2倍以上に拡大するという目標を設定してきたのである。
「“ビッグ4”に代表されるメガバンク各行は現在、収益を拡大させることに必死になっているのが実情です。ところがどの分野で収益をあげていくのか、ビジネスモデルがはっきりしていません。一方で米銀の収益力が高いのは、消費者金融部門に強みがあるからだといえるでしょう。そうした点で三井住友銀行の試みは評価できると思います」(米銀在日代表)
三井住友FGの消費者金融部門の今後の展開には、要注意だ。