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株価低迷で銀行がもがき続けている。大手行の4−6月期決算が出そろったが、勝ち組とされる三菱東京フィナンシャル・グループも含め大手行すべての保有株式が含み損に転落、総額約1兆1371億円に達した。不良債権も微減となったものの高止まりしている。一方で中小企業への貸し渋りや貸し剥(は)がしは続いており、変わらない銀行の実態が浮き彫りとなった。
大手銀は今年度から四半期ごとの経営情報の開示を始めたが、情報公開のスピードアップに経営の内容が追いつかない皮肉な結果となった。
持ち合い株式の評価では、みずほフィナンシャルグループが、第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の旧3行の合併差益約9000億円を使って、含み損を3月末の7546億円から446億円にまで大幅に圧縮したものの、他の大手行はすべて株価下落の影響をモロに受けた。
中でも三菱東京は、3月末には20億円の含み益があったのが、1446億円の含み損に転落。UFJグループにいたっては988億円の含み益から、わずか3カ月で1052億円の含み損を抱えてしまった。
また、三井住友銀行の含み損は6317億円と大手行で断トツ。「持ち株会社設立の大きな狙いは、配当を確保するためではないか」(外資系証券アナリスト)との見方も強まっている。
みずほの特殊要因もあって、大手行の含み損の総額は3月末の1兆2901億円から1530億円減ったのだが、とても喜べる水準ではない。
平均株価の3月の月中平均は1万1449円あったが、6月の平均は1万966円にまで下落した。さらに現在の株価は1万円を下回る水準に低迷している。
平均株価が1000円下落すると、保有株の含み損は2兆円増えるとの試算もある。1万円割れ水準で、大手行の含み損は2兆5000億円に達しているともいわれる。含み損によって不良債権処理損の穴埋めや公的資金の返済、配当などの原資となる剰余金が枯渇しかねない状況は変わらず、体力はなおも消耗し続けている。
各銀行は持ち合い解消を進めたいのだが、株価がこの低迷では売るに売れない。そこで銀行の中には、持ち合い株を市場で売却せずに、ETF(株価指数連動型投信)に拠出する形を採っているところもあるのだが、これが先物指数の大口ヘッジ売りなど不自然な売買を誘発し、現物株価を急落させるなど、株式市場を歪めているとして、市場関係者や投資家から強い批判を浴びている。
一方、不良債権残高も三菱東京が開示していないが、他行は微減にとどまっている。しかし、景気が低迷を続け、倒産件数も高止まりしている現状では、中小企業も含めた不良債権問題が再燃するリスクは依然残っている。
一方、金融庁のまとめでは、公的資金の注入を受けた大手7行の14年3月期の中小企業向けの貸し出しは、前年同期から5兆1400億円減少、みずほグループと住友信託銀行を除き、計画に大きく届かなかった。
大手企業は助ける一方、中小企業には非情な貸し渋りや貸し剥がし。株安に苦しみながら、持ち合い解消で株価をさらに押し下げる。これがメガバンクの実態なのか。