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一連の“シナリオライター”は財務省〜ペイオフの“例外規定”、小泉に知恵つける〔株ZAKZAK2002/7/31〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 7 月 31 日 15:59:40:

「ペイオフは予定通り実施する。(ただし、金融庁に対しては)不安のないように対策を考えてほしい、と指示を出した−」
昨日(7月30日)の夕刻、小泉純一郎首相は取り囲んだぶら下がりの番記者たちに、こう断言してみせた。
この首相のコメントは一見すると、これまでの発言の繰り返しに過ぎず、ごく当たり前のことを言っているようにしか思えない、と言っていいだろう。
ところが、この小泉発言の真意とするところは、銀行関係にとってまさに驚くべきものだったのである。
実はこの日、小泉首相は官邸に柳沢伯夫金融担当相を呼び、ペイオフ完全解禁問題に関して、ある指示を出していたのである。
その“ある指示”の内容について、柳沢金融担当相は次のように説明している。
「(小泉首相は)決済システムが危うくなってはならない、と言っておられる。(そこで)決済システムに混乱が起こらないように、早急に検討してもらいたい(と指示があった)」
そして、この“柳沢発言”が一人歩きする形で、一時は「ペイオフ完全解禁は延期−」という情報が関係者の間を駆け巡ったのである。
「小泉首相の意図するところとしては、企業−特に中小企業が決済資金を預け入れている口座については何らかの形で保護する方向で検討しろ、というものだったようです。さらに首相の念頭には、地方公共団体の“公金”についても保護が必要という考えがあったようです」(官邸関係者)
つまり小泉首相の意図するところとしては、“ペイオフ完全解禁の延期”を求めているのではなく、“ペイオフ制度のワク組の変更”というところにある、とみていいだろう。
もっとも現実問題として、中小企業の決済口座は、大手企業と同様に当座預金口座に置いているケースは少数派というのが実情だ。
かなりの数の中小企業−特に大部分の小零細企業では、自社の決済口座を普通預金口座に設定しているケースが多い。
「このため、単に当座預金だけをペイオフ制度のワク組から外しただけでは意味がない、といえるのです。つまり、小泉首相が指示したとされる『決済システムに混乱が生じないようにせよ』ということを実現するためには、決済口座として利用されている普通預金についても何らかの保護措置を講ずる必要性があるのです」(官邸関係者)
こうしたことから、“金利のつかない決済専門の新型普通預金”を創設するプランが急浮上してきた、と言っていいだろう。
「ペイオフ先進国とされる国でも、ペイオフの実施にあたってはいくつかの例外規定を設けているのが実情です。そうした状況から考えて、日本においても何らかの例外規定を設定したとしても何の問題もない。むしろその方が自然だ」(官邸関係者)
したがって、仮にこうした“例外規定”を設定したとしても本稿冒頭の小泉発言にある、「ペイオフは予定通り実施する−」ということとは矛盾しない、というのが政府サイドの見方だ。
「しかし気になるのは、いったい誰が、小泉首相にこうした知恵をつけたのか、ということだ。少なくとも金融庁ではない」(金融庁幹部)
筆者が昨日から今日未明にかけて総力取材をしたところでは、一連の“シナリオライター”は、財務省だったという感触を得ている。
「そうした“例外規定”を実施するためには、新たな財政措置が必要であることは明らかだ。だとしたら、このペイオフ問題に関して財務省が積極的にかかわることは自然」(官邸中枢スタッフ) いずれにしても、この問題に関する今後の展開には要注目だ。

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