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(回答先: ペイオフ見直しこうみる:債券の短期的悪材料にも=大和証券SMBC 末澤氏(東京31日ロイター) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 7 月 31 日 15:30:43)
<JPモルガン証券 クレジットリサーチ・銀行アナリスト マッカーシー理恵子氏>
今回のペイオフ全面解禁の見直しについては、非常に政治問題化している印象を受ける。そもそも、ペイオフ全面解禁直前の今になって見直しにとりかかる理由は何か。また、ペイオフ凍結延長の結果として、どのようなメリット、デメリットがあるのかといった議論も、具体的になされていない。
振り返ってみれば、96年にペイオフ凍結が宣言されたのは、強力なセーフティネットが張られているうちにオーバーバンキングを解消することが目的だった。あれから既に6年以上も経過しているが、日本ではメガバンクこそ登場したが、オーバーバンキング問題は基本的に解決されていない。より効率的な金融システムの構築もままならずに、今日まで至っている。
ペイオフ全面解禁あるいは再延期、いずれをとるにしろ、その次のステップを具体的に議論せずに、政治的なコンテクストの中だけで解禁の是非を議論しても、結局過去の轍(てつ)を踏むだけで、オーバーバンキング問題の根本解決に向けての一歩を踏む出すことはできないのではないか。
ペイオフが全面解禁になれば、弱小中小金融機関の中には流動性が低下して破たんに追い込まれるところが出てきても、不思議ではないが、破たん金融機関すべてをペイオフ対象にすることは国にコストがかかりすぎて、現実的ではない。そのため、破たんした金融機関の健全債権や預金をスムーズに受け皿金融機関に移す処理が必要となるが、現実問題としては、破たんした石川銀行や中部銀行の受け皿がいまだに決まっていない状況だ。それは、受け皿金融機関が取らされるリスクが大きすぎ、それを軽減する具体策が、政府側から提示されないからだ。
逆に、ペイオフ解禁を見直すのであれば、その結果としてどのような効果が期待できるのか、なぜペイオフ解禁見直しが今は正しい選択肢なのかを国民に提示する必要があると思われるが、それもない。このような状況では、ペイオフ解禁の是非を問うことも出来ない。