現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
大手金融機関が右往左往し始めている。何日か続けば見慣れてしまう日経平均の4ケタ転落が、持ち合い解消売りを進める大手銀行の計画に狂いが出始めたからだ。株式放出は下期に持ち越され、マーケットはさらに崩れていくのか・・・。
●市場に追いつけない大手銀行
大手銀行が証券会社に株式売却の注文を出す場合、売却希望価格帯や期間のほか、売却株数が1日の出来高の5%以内など、細かな条件を付けることが多い。
今月下旬、ある大手銀行は親密な証券会社に機械、電機、素材など複数銘柄の売却を指示した。しかし、証券会社が注文を受けた時点で、大半の株は銀行の想定水準から大きく下げていた。この銀行は止むを得ず、売り注文をキャンセル。行内で再び会議を開き、売却価格や株数を練り直すことにした。が、会議の最中にも株価は逃げるように下落。日経平均が9500円台に突入した26日の時点では、この持ち株の売却注文は執行されていないという。「銀行で株式売却を担当するALM部門は、銀行の中では最も機敏に動く部署の1つといわれているはずだが…」。株価下落に追い付けず、結果的に安値で売らざるを得なくなる大銀行の醜態を、国内証券の担当者は苦笑いして明かす。
●下期に延期も
例年8月下旬から、上期の持ち合い解消売りがピークを迎える。一説には、9月末までにメガバンク1行で1000億円単位の売り需要があるといい、海外投信との売り急ぎ競争に陥る懸念が強い。ただ、含み損が膨らみすぎて売れなくなった銀行や事業会社は多く、「売りは下期に持ち越される可能性が高い」(証券系研究所)とみられている。
株価が3月末水準を割った状態で売れば、銀行は売却損が確定する。そこで銀行は売って利益の出る銘柄を先に処分し、損を抱えた銘柄を抱え続ける可能性もあり、株安が銀行の株売りを止めるという皮肉な結果にさえなりかねない。2004年上半期までに株式保有高を自己資本(ティア1)以下に圧縮するというゴールは変わらないため、上期も売り残しは下期に持ち越され、それでも売れなければ翌年度へと先送りされることになる。東京株式市場は、さらに2年も持ち合い解消売りに圧迫されるのか・・・。
(半沢 昭悟)
・「深層・真相」〜株投げ売りの正体は解約ラッシュの“米国投信”?
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200207/29/20020729145020_14.shtml
・今度は「売り屋」退治?〜第1Q決算銘柄に反撃チャンス
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200207/18/20020718100512_49.shtml
・NY安に怯えるな!〜日本株攻略「3つの切り口」
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200207/11/20020711095011_34.shtml
・「弱気相場の役割終わる」〜P・タスカ氏が宣言
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200207/05/20020705103007_96.shtml